2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムポンプの1分子可視化による作動機構と高次構造の解析
Project/Area Number |
13142201
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50183421)
林 雄太郎 杏林大学, 医学部, 教授 (10086556)
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
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Keywords | ナトリウムポンプ / 蛍光プローブ / 1分子観察 / プロトンポンプ |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績 1.ナトリウムポンプの細胞膜での分子集合状態の解析 動物細胞に緑色蛍光タンパク質(EGFP)をN-末端に付加したナトリウムポンプを発現した。蛍光標識ポンプで測定した可溶化後のポンプ分子の多重度解析から、単量体と2量体の存在は確認した。細胞を破砕せずそのまま分子観察系で解析を試みたが、細胞質、細胞骨格由来のバックグラウンドの蛍光が比較的強いため、多重度の直接的な解析は成功に至らなかった。 2.ナトリウムポンプ分子の第3のイオン結合部位の検討 結晶構造が報告されているカルシウムポンプにおいて、2箇所のイオン結合部位が明らかにされている。ナトリウムポンプとカルシウムポンプのホモロジーモデリングから、ナトリウムポンプにおいて特徴的な3番目のイオン結合部を想定し、イオン結合に直接寄与すると想定されたアミノ酸に関して、変異体を作成した。HeLa細胞にて変異体ポンプを発現し、ポンプ特異的阻害剤による選択を行い、ポンプ分子として機能不全となる残基を特定した。さらに生育した細胞から調整した膜画分のATPase反応およびpNPPase反応におけるイオン感受性を測定し、ナトリウムイオンに対する親和性が大きく変化している残基を特定し、イオン結合に関わるアミノ酸残基を同定した。 3.多量体ナトリウムポンプの機能的相互作用部位の検索 ポンプ分子は酵素反応の中間体蓄積条件下でゼロ距離クロスリンカーにて二量体を形成する。ラットナトリウムポンプ触媒鎖の細胞質領域の8箇所のシステイン変異体を作成した。これらの変異体をHeLa細胞にて発現し、細胞膜画分を調整した。クロスリンク反応に対し、C456S&C457S変異体は二量体形成を阻害された。触媒反応サイクルにおいて触媒サブユニット間で物理的に接触する領域を同定した。
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Research Products
(2 results)