2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13302003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻田 嘉章 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10109407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 眞一郎 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40114615)
位田 隆一 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40127543)
渡邉 惺之 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30032593)
佐藤 やよひ 関西大学, 法学部, 教授 (00235409)
木棚 照一 早稲田大学, 法学部, 教授 (90066697)
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Keywords | 著作権 / ヒトゲノム / 知的財産法 / 属地主義 / ADR / EU法 / 電子商取引 / 国際民事訴訟法 |
Research Abstract |
今年度も2度の全体会議を通じて、研究分担者間の情報交換・研究打合せを行うとともに、各研究報告により多くの成果をえた。特に各回ともに、研究分担者ではない専門家にも特別に参加してもらい、有益な示唆を得た。第1回は、佐藤やよひ「著作権譲渡の準拠法」により、最近の著作権をめぐる国際的紛争の解決を判例を素材に論じたもので、次いで、申美穂「国際的な知的財産侵害事件における抵触法理論について」は、知的財産権をめぐる判例・学説の動向と属地主義の取扱という極めてホットな問題を論じた。いずれも科学技術の発展とその法的保護をめぐる問題を扱うもので、先端的な研究である。渡邊惺之「中国の判決の承認・執行に関する相互の保証ついて」は、国際民事訴訟法の中で、外国判決の承認要件である相互保証の問題を最近の中国の動向とともに検討したもので、櫻田嘉章「ハルシュタイン『欧州判決調和の阻害要因としての国際私法上の私的自治』について」は、国際訴訟における当事者の働きを手続法と実体法の中で総合的に検討するもので、国際私法の新しい動きといえる当事者自治の拡大現象を全体的に捉えるものである。以上は、抵触法、国際民事訴訟法の最近の諸問題を検討・分析しており、研究会の目的には極めて合致した研究会となった。第2回には、位田の「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」はヒトゲノムに関する国際的規律の現状を明らかにするもので、ヒトゲノム情報の今後の利用を国際的に考える基礎を提供し、高杉「電子商取引と国際民事紛争解決制度-欧州の動向を参考にした制度的提言」、Hubner「電子商取引における消費者保護」は、日独それぞれの立場から、電子商取引に起因する紛争の解決方法を総合的に論ずるもので、前者は比較法的検討を、後者はADRによる解決を模索するもので、いずれも電子商取引の発展とその法的規律を提言するものであった。国友「フランス破毀院第1民事部2002年3月5日判決」は、ソフトウエア著作権侵害の準拠法に関するフランス法の現状を紹介するもので、事実関係はフランス法特有の事情として十分に明らかではないが、ソフトウエア著作権侵害の国際的問題をフランス法の立場から論ずる貴重な報告であった。最後に渡邊「国際民事訴訟における当事者能力と訴訟能力」は、これまで十分に検討されてこなかった問題について決着を付けようとするもので、渉外訴訟をめぐる法的問題が解決される前提が論じられた。 以上のほか、各研究分担者は、それぞれの分担部分について先端的な研究を行っており、次年度ではこれらの成果をまとめる方向で検討したい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 木棚照一: "特許権の効力の準拠法等"民商法雑誌. 107巻1号. 106-127 (2003)
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[Publications] 渡邉惺之: "ヨーロッパの管轄ルールから見たハーグ管轄判決条約案と日本の立場"国際私法年報. 4号. 174-213 (2003)
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[Publications] 佐藤やよひ: "人工生殖で誕生した子をめぐる母子関係の準拠法の決定について"法の支配. 131号. 79-86 (2003)
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[Publications] 高杉 直: "電子取引と国際民事紛争解決制度 欧州の動向を参考にした制度論的提言"国際商取引学会年報. 5号. 46-62 (2003)
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[Publications] 高杉 直: "米国の国際私法の現状と課題 製造物責任の準拠法問題を中心に"国際私法年報. 5号. 21-62 (2004)
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[Publications] 長田真里: "損害多発型不法行為事件における国際裁判管轄-フランスにおける議論からの示唆-"大阪外国語大学国際関係講座『国際関係の多元的研究』. 387-407 (2003)
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[Publications] 木棚照一: "国際知的財産侵害訴訟の基礎理論"経済産業調査会. 510 (2003)