2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13302007
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
毛里 和子 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (40200323)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012460)
山本 武彦 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (10210535)
菅 英輝 九州大学, 大学院・比較文化研究院, 教授 (60047727)
田中 孝彦 一橋大学, 法学部, 教授 (10236599)
下斗米 伸夫 法政大学, 法学部, 教授 (80112986)
|
Keywords | 冷戦 / ソ連崩壊 / 米国ナショナルアーカイブ / 韓国公文書館 / 国際政治の理論パラダイム / グローバルヒストリー |
Research Abstract |
18名の一線の国際政治研究者からなる本研究班は、(1)ソ連崩壊・冷戦後とみに進んでいる欧米や中国での冷戦史研究の動向についてメンバーで情報を共有すること、(2)旧ソ連、中国、米国、英国などで急テンボで進んでいる情報とアーカイブの公開にあわせて、それらを精力的に収集し、新史料を踏まえた新史実の発掘と新視点の提起すること、(3)起源、発展、成熟、終焉にいたる冷戦の構造変容について理論的な説明モデルを構築する、の3つを目標にしている。初年度はこの三課題を並行的に進めた。 全体研究集会を計6回開き、時には部外の専門家を招き、またドクター課程の研究協力者を加えて、集中的で熱心な議論を重ねた。*研究方針と分担の調整、*朝鮮戦争とはソ連の介入、*中国および中ソ同盟と朝鮮戦争・ベトナム戦争、*冷戦はなぜ、どのように終わったかに関する仮説的提示、*国際関係史のなかの「冷戦」、*イギリスと冷戦-冷戦の相対化、などを議論し、冷戦の構造変容、地域的位相の対比などをめぐる理論仮説の構築の準備を進めた。 冷戦研究は米国、ロシア、中国で先行的に進んでいるため、史料を収集し研究を深めるには国際的学術交流が不可欠だが、初年度は、2名のメンバーおよび研究協力者が米国ナショナル・アーカイブ、1名が韓国公文書館で新史料を収集する一方、中国から二名の冷戦史専門家を招いて充実した研究交流を行った。 なお、冷戦期の外交文書、新聞など(おもに、British Documents on Foreign Affairs,1946-1947,Confidential U.S.State Department Central Files(China-1945-1963)、"解放軍報"1956-1995など)をマイクロ・フィルム、CD/Romの形で購入し早稲田大学と一橋大学に集中した。
|
-
[Publications] 毛里和子: "辺境学から地域・民族・国家"中見立夫編『境界を越えて』山川出版社. (近刊). (2002)
-
[Publications] 毛里和子: "書評:岡部達味編『中国をめぐる国際環境』"近きにありて. 第40号. 100-107 (2001)
-
[Publications] 毛里和子: "書評:Add Arne Westad ed., Brothers in Arms: The Rise and Fall of the Sino-Soviet Alliance,1945-1963"『アジア経済』アジア経済研究所. 41巻-10・11号. 223-229 (2000)
-
[Publications] 毛里和子: "地域大国中国とどうつきあうか"『アジア21世紀-対立と協調』亜細亜大学亜細亜研究所. 9-37 (2001)
-
[Publications] 毛里和子: "中国1986-89--民主化の夭折と国際環境"民主化と国際政治・経済[季刊国際政治]. 125号. 14-30 (2000)
-
[Publications] 毛里和子: "中国の少数民族問題"武田清子編『中国へのかけはし』. 97-115 (2000)
-
[Publications] 田中 孝彦: "冷戦史の再検討-グローバル・ヒストリーの構築に向けて-"「変動期における法と国際関係」一橋大学法学部創立50周年記念論文集. 523-546 (2001)
-
[Publications] 石井 明: "中ソ・CIS関係"岡部達味編「中国をめぐる国際関係」岩波書店. 159-192 (2001)
-
[Publications] 石井 明: "日台断交時の"田中親書"をめぐって"東京大学「社会科学紀要」. 第50輯. 89-109 (2001)
-
[Publications] 増田 弘: "朝鮮戦争と旧軍人のパージ解除"木村汎編「国際危機学-危機管理と予防外交」世界思想社. (近刊). (2002)
-
[Publications] 遠藤 誠治: "グローバリゼーションの政治学的分析に向けて:国際政治と比較政治の交錯を可能にするために"国際政治. 第128号. 30-46 (2001)
-
[Publications] 遠藤 誠治: "書評論文『アジア通貨経済危機』の政治学"アジア太平洋研究. 第22号. 108-123 (2001)
-
[Publications] Hideki Kan: "Liberal Nationalism, State Sovereignty, and the Problems of Constructing Liberal International Relations"Proceedings of the Kyoto American Studies Summer Seminar in 2001. July 26-July 28. 2001. 1-10 (2002)
-
[Publications] 菅英輝: "ベトナム戦争における日本政府の和平努力と日米関係、1965-68年"国際政治. 130号(近刊). (2002)
-
[Publications] 高松 基之: "ケネディ大統領の政策決定スタイルの特徴とリーダーシップについての一考察-ベトナム戦争への対応を事例として-"同志社アメリカ研究. 38号(未定). (2002)
-
[Publications] 木宮 正史: "政治体制と開発協力:日韓関係を事例として"国際問題. 498号. 28-43 (2001)
-
[Publications] 木宮 正史: "一九六〇年代韓国における冷戦外交の三類型:日韓国交正常化・ベトナム派兵・ASPAC"小此木政夫・文正仁編『日韓共同研究叢書4市場・国家・国際体制』慶應義塾大学出版会. 91-145 (2001)
-
[Publications] 木宮 正史: "経済危機と労使関係レジームの「転換」:労・使・政委員会の活動を中心に 9章経済危機と労使関係レジームの「転換」:労・使・政委員会の活動を中心にを分"服部民夫・松本厚治編『韓国経済の解剖 先進国移行論は正しかったのか』文真堂. 213-235 (2001)
-
[Publications] 黒柳米司: "メガワティ政権誕生と政・軍の力学"世界. 第893号. 30-33 (2001)
-
[Publications] 黒柳米司: "ASEAN再活性化シナリオと日本"世界週報. 83-8. 28-31 (2002)
-
[Publications] 羽場 久み子: "中東欧とユーゴスラヴィア"国際問題(日本国際問題研究所). 496号. 31-44 (2001)
-
[Publications] 羽場 久み子, 宮島喬: "序・ヨーロッパの拡大において問われているもの"『ヨーロッパ統合のゆくえ』人文書院. 11-24 (2001)
-
[Publications] 羽場 久み子: "EU・NATOの拡大と中欧"『ヨーロッパ統合のゆくえ』人文書院. 51-82 (2001)
-
[Publications] 羽場 久み子: "EUの壁・シェンゲンの壁"国際政治(日本国際政治学会)2002年2月. 129号(未定). (2002)
-
[Publications] Kuimiko Haba: "Yugoslavia and East Central Europe under the EU Enlargement"Journal of Comparative Economic Studies, February, 2002. (未定). (2002)
-
[Publications] 羽場 久み子: "東西冷戦とハンガリー56年事件(新史料の動向)"歴史評論(校倉書房). (未定). (2002)
-
[Publications] 横手慎二: "ソ連政府の日本人抑留者送還政策"北海道スラブ研究センター研究報告シリーズ81. 81号. 20-37 (2002)
-
[Publications] 編者 毛里和子: "現代中国の構造変動VII 中華世界--アイデンティティの再編"東京大学出版会. 279 (2001)
-
[Publications] 共訳: "ニクソン訪中機密会談録"名古屋大学出版会. 279 (2001)
-
[Publications] 編著 毛里和子: "現代中国の構造変動I 大国中国への視座"東京大学出版会. 296 (2000)
-
[Publications] 羽場 久み子: "グローバリゼーションと欧州拡大-ナショナリズム・地域の成長か-"お茶の水書房(ブックレット). 64 (2002)
-
[Publications] 横手慎二(共著者の一人として): "Novyi mir istorii Rossii(仮訳 ロシア史の新しい世界)、Moscow"Forum iaponskikh i rossiiskikh issledovatelei(日露研究者フォーラム). 591 (2001)
-
[Publications] 編著 藤原 帰一: "テロ後-世界はどう変わったか"岩波書店. 247 (2002)
-
[Publications] 著者 藤原 帰一: "戦争を記憶する"講談社新書. 251 (2001)
-
[Publications] 共訳 下斗米 伸夫: "トルクノフ著 朝鮮戦争の謎と真実"草思社. 422 (2001)