2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13304012
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
砂田 利一 明治大学, 理工学部, 教授 (20022741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 浩子 明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
増田 久弥 明治大学, 理工学部, 教授 (10090523)
対馬 龍司 明治大学, 理工学部, 教授 (20118764)
佐藤 篤之 明治大学, 理工学部, 助教授 (70178705)
阿原 一志 明治大学, 理工学部, 教授 (80247147)
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Keywords | 離散幾何解析学 / 結晶格子 / ランダム・ウォーク / 大偏差原理 / 多面体 |
Research Abstract |
本研究では、離散幾何解析学の適用分野の1つであるグラフ上のランダム・ウォークに関する研究をブロッホ理論の応用として行い、結晶格子の場合に大偏差理論を応用することにより周期的ランダム・ウォークに対するいくつかの結果を確立した(小谷、砂田)。ただし、これまでの各辺の両側に正確率を持つランダム・ウォークを一般化し、片側に歩行が制限される場合を含めて考察した。結晶格子上の一般の周期的ランダム・ウォークについては、その既約性が問題になる。すなわち、有限グラフ上のランダム・ウォークが既約と仮定しても、一般にはそのリフトとして得られる結晶格子上のランダム・ウォークが既約とは限らない。この場合、エントロピーの有限値領域は次元的に退化した凸多面体になる。この凸多面体が原点を内部に含むことが既約性に条件となることを見出した(砂田)さらに、結晶格子のグロモフ・ハウスドルフ極限は大偏差理論と密接に関係することを見出し、極限空間の距離関数を明示的に表現した。この距離関数の単位球は凸多面体であり、その特徴づけを行うために、有限グラフの組合せ論を展開し、すべての面の組合せ論的特徴づけに成功した。ここで考察する有限グラフは、結晶格子を格子群で割って得られるグラフである。その結果、頂点はグラフの単純閉曲線に対応することが分かった。さらに、大偏差原理に登場するエントロピー関数を調べ、その有限値領域が上記の凸多面体と一致することを確かめた。そして、凸多面体の境界上でのエントロピー関数の値を明示的に与えることに成功した(小谷)。これは、グリーン関数の漸近挙動の研究に応用されることが期待される。 結晶格子上の離散幾何解析の応用として、結晶固体の量子論を数学的に厳密な理論として確立した。その際、離散的弾性ラプラシアンの概念を有効に用いることにより、結晶格子の連続体極限や比熱の法則に関する厳密な考察を行った。
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Research Products
(5 results)