2003 Fiscal Year Annual Research Report
作物におけるアポミクシスの細胞・分子遺伝学的解析と分化制御
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13306003
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
足立 泰二 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50040861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 薫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70183994)
丸橋 亘 茨城大学, 農学部, 教授 (00181826)
陳 蘭庄 宮崎大学, 遺伝子実験施設, 助手 (40284822)
土屋 亨 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教授 (30293806)
明石 良 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20253809)
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Keywords | アポミクシス / アポスポリー / ディプロスポリー / トランスポザーゼ / Pseudouridine Synthase |
Research Abstract |
本年の成果は主要項目別に記すと、次の通りである。 1.ギニアグラスのアポミクシス品種と有性生殖系統を供試材料として、マップベースクローニングおよびマイクロアレイ発現解析を行った。また、マップベースクローニングではアポスポリー候補遣伝子座近傍のファインマップ作成を行った。遺伝子座の両側1.2cM地図距離に6AFLPマーカーを最小0.3cMで位置づけた。このマーカー群によって、少なくとも9つのBACクローンプールを特定した。 2.3種類のバイナリーベクターを用いて形質転換系を確立し、ASG-1遺伝子の導入実験を実施した。現在組みかW植物を再生中であり、予備実験としてはすでにASG-1遺伝子のPCR産物ではその存在を確認している。 3.ディスポスポリーを制御する遺伝子の候補を単離するために、ニラ(Allium tuberosum)の発現時期の蕾よりmRNAを単離し、特異的に発現している遺伝子のクローンを単離した。得られたクローン約200種の発現動態をマクロアレイにより解析したところ、アポミクシス性の発現と同調して発現が増加/減少しているクローンは得られなかった。 4.雑種致死性は育種の障害となる現象であると同時に分化制御を研究する上で重要な鍵を握っているものである。育成温度を制御することで致死の発現機構を研究した。種間雑種を実生レベルで検討するだけでなく、培養細胞系を樹立し、細胞レベルでも検討したところ、この致死の過程では、核の凝縮、核DNAのヌクレオソーム単位での切断、核の断片化が生じていることから、個々の細胞がいわゆるプログラム細胞死(アポトーシス)を発現していることを明らかにした。また、致死に関わる因子は特定の染色体に座乗していること、細胞質因子は致死の発現に関与しないこと、エチレンの生成が直接的に致死に関わっていることなども明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 明石 良, 権藤崇裕, 川村 修: "バイオテクノロジーを利用した暖地型稲か牧草の育種"日本草地学会誌. 49. 79-87 (2003)
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[Publications] 権藤崇裕, 石井由紀子, 明石 良, 川村 修: "バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge)における効率的な種子由来エンブリオジェニックカルス誘導法とパーティカルガンによる形質転換条件の検討"日本草地学会誌. 49. 33-37 (2003)
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[Publications] W.Takahashi, H.Oishi, M.Ebina, T.Takamizo, T.komatsu: "Production of transgenic Italian ryegrass(Lolium multiflorum Lam.) via microprojectile bombardment of embyogenic calli"Plant Biotechnology. 19・4. 241-249 (2002)
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[Publications] W.Marubashi, M.Kobayashi: "Temperature-dependent apoptosis detected in hybrids between Nicotiana oebneyi and N.tabacum expressing lethality"Plant Biotechnology. 19・4. 267-270 (2002)
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[Publications] W.Marubashi, K.Onosato: "Q chlomosome controls the lethality of interspecific hybrids between Nicotiana tabacum and N.suaveolens"Breeding Science. 52. 137-142 (2002)
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[Publications] Y.Masuda, T.Yamada, W.Marubashi: "Time course analysis of apoptotic cell death during expression of hybrid lethality in hybrid tobacco cells(Nicotiana suaveolens x N.tabacum)"Plant Cell Physiolo.. 44・4. 420-427 (2003)