2003 Fiscal Year Annual Research Report
若年男性の冠動脈石灰化と頚動脈肥厚による動脈硬化度と循環器疾患危険因子との関連
Project/Area Number |
13307016
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 厚典 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127210)
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)
門脇 崇 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30324578)
岡村 智教 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00324567)
中村 保幸 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20144371)
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Keywords | 国際情報交換 / アメリカ / 動脈硬化 / エレクトロンビームCT / 冠動脈石灰化 / 危険因子 / 予防医学 / 疫学 |
Research Abstract |
1.研究の目的および概要 日本の30〜40歳代男性は、血圧、喫煙率、コレステロールなどの冠動脈危険因子の程度が米国と比較して予防的な状態ではなく、従来のように心筋梗塞発症率が米国よりも低い状態を保てるかどうかについては議論のあるところである。そこで、滋賀県草津市在住の40歳代の男性から無作為に選んだ対象者について、動脈硬化の進展度を詳細に調査し、米国の集団と比較することを目的とした。尚、本研究は米国ピッツバーグ大学との共同研究であり、米国側でもAmerican Heart Associationの研究補助金の助成を受けて同様の研究を行っているものである。 2.本年度の進捗状況 昨年度からの2年計画で300名の対象者の調査を完了した。そのうちの100名については、血液検体の解析および心臓冠動脈の石灰化スコアの解析を終了した。 3.研究によって得られた知見 (1)背景となる危険因子 日米で、ボディマスインデックスは23.3、27.0(kg/m^2)、収縮期血圧は122.6、113.7(mmHg)、総コレステロールは220.9、192.8(mg/dl)、HDLコレステロールは54.7、45.9(mg/dl)、喫煙率は48.0、15.0(%)であり(各々、日本、米国の順)、いずれも統計学的有意差が認められた。 (2)心臓冠動脈の石灰化 カルシウムスコアが正であったものの割合は、日米で13.3、47.0(%)であり、カルシウムスコアが10以上であったものの割合を比較すると、5.1、26.0(%)であった。 (3)まとめ 日本人40歳代男性の危険因子は米国と比較して決して好ましい状態ではなかったにもかかわらず、心臓冠動脈石灰化率は米国の方がはるかに高いことが明らかになった。なぜ日本人に冠動脈硬化が少ないのかについては、インスリン抵抗性や代謝症候群の観点から今後更なる分析が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sekikawa A, Horiuchi BY, Edmundowicz D, Ueshima H, Curb JD, Sutton-Tyrrell K, Okamura T, Kadowaki T, Kashiwagi A, Mitsunami K, Murata K, Nakamura Y, Ro driguez BL, Kuller LH: "A "natural experiment" in cardiovascular epidemiology in the early 21st century."Heart. 89・3. 255-257 (2003)
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[Publications] 関川暁(米国), 上島弘嗣, CurbDavid J., KullerLewis H.: "【循環器疫学の最前線】21世紀の国際間比較対照研究 ERA-JUMP 予防循環器病における日本の挑戦,世界への貢献"医学のあゆみ. 207・7. 482-486 (2003)