2001 Fiscal Year Annual Research Report
運動レベルの違いによる随意動作習熟過程の神経機構に関する研究
Project/Area Number |
13308001
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
矢部 京之助 大阪体育大学, 大学院・スポーツ科学研究科, 教授 (50090410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝夫 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60190089)
中澤 公孝 国立身障者リハビリテーションセンター, 室長
青木 久 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所, 室長 (60150215)
小宮山 伴与志 千葉大学, 教育学部, 助教授 (70215408)
笠井 達哉 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60112702)
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Keywords | 随意動作 / 習熟課程 / 神経機構 / 運動機能障害 / 日常生活動作 / スポーツ動作 |
Research Abstract |
本研究の目的は、随意動作を三種(機能不全を伴う動作、日常生活に必須な動作、スポーツにみられる動作)に分類し、各レベル特有の習熟過程を神経・筋機能の側面より明らかにすることである。 第1グループ:車椅子スポーツ選手(C5〜8)の膝窩動脈径は健常者に比して萎縮し、安静時血流速度は高値を示すが、血流量に差を認めなかった(矢部)。脊髄損傷者(Th12)の装具を用いた歩行訓練によって下肢筋群の筋放電は増強された。(中澤)。高齢者の上肢運動時のP300は若年者に比して振幅、三角筋に対する腓腹筋の早期活動減少が認められた(藤原勝)。類似した筋放電パターンにおいて、動作前silent period(PMSP)の出現した動作は出現しない動作より有意に大きい筋力を発揮した(青木)。 第2グループ:日常生活における随意動作を大筋運動と小筋運動の2つに分け、その習熟過程を解析した。小筋運動課題については、上肢の指の繰り返し運動による運動野の興奮性変容過程を運動誘発電位を指標にして解析した。大筋運動課題としての下肢の運動に関しては「H反射」を指標とした解析を進め、動物実験で得られた成熟した運動野でも、運動を繰り返すことによって一過性の可塑的変化の起こり得る現象(reorganization)をヒトについて確認した。 第3グループ:初心者にバドミントンスマッシュ練習を数日間行わせると、筋電図が近位筋から遠位筋への順序で熟練者パターンへ変化する(大築)。空手熟練者は一般人に比べて安静立位保持時の身体動揺が小さく、下腿筋のH反射振幅も小さい(森谷)。手と足の同時反応課題を行うと、足の反応時間は手と同時でも変化しないが、手の方は増大する(谷口)。テニス等の打球的当て課題成功の最後のチャンスとなるプレッシャー試行において、心拍数が増加し、筋放電が増大する(藤原素)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakata H, Yabe K: "Automatic postural response systems in individuals with congenital total blindness"Gait and Posture. 14. 36-43 (2001)
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[Publications] Nunome H, Doyo W, Sakurai S, Ikegmai Y, Yabe K: "A kinematic study of the upper-limb motion of wheelchair basketball shooting in tetraplegic adults"Journal of Rehabilitation Research and Development. 39・1. 63-71 (2002)
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[Publications] Tsuzuk S., Shimokata H, Ikegami Y, Yabe K, Wasnich RD: "Effects of high versus low-intensity resistance training on bone mineral density in young males"Calcified Tissue International. 68. 342-347 (2001)
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[Publications] Yamanaka K., Kimura T., Miyazaki M., Kawashima N., Nozaki D., Nakazawa K., Yano H., Yamamoto Y: "Human cortical activities during Go/NoGo tasks with opposite motor control paradigms"Experimental Brain Research. 141. 301-307 (2002)
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[Publications] Nakazawa K, Yamamoto S, Ohtsuki T, Fukunaga T, Yano H: "Neural Control : Novel evaluation of stretch reflex sensitivity"Acta Physiologica Scandinavica. 172. 257-268 (2001)
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[Publications] Fujiwara K, Kunita K, Toyama H, Miyaguchi A: "Saccadic reaction times during isometric voluntary contraction of the shoulder girdle elevators and vibration stimulation to the trapezius"European Journal of Applied Physiology. 85. 527-532 (2001)
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[Publications] 中澤公孝: "「11」障害者のスポーツ参加、生涯スポーツ"市村出版. (2002)