2004 Fiscal Year Annual Research Report
所有権形態と経済成長の相互連関:農業の実証研究に基づく動学成長モデルの構築
Project/Area Number |
13309003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
榊原 健一 千葉大学, 法経学部, 教授 (30187009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 文洋 千葉大学, 法経学部, 助教授 (30302524)
菊地 眞夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (10241944)
不破 信彦 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (90302538)
丸山 敦史 千葉大学, 園芸学部, 講師 (90292672)
小暮 厚之 慶応義塾大学, 総合政策学部, 教授 (80178251)
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Keywords | hunusan / gama / 制度変化 / フィリピン / 農業 / sharecropping / 非協力ゲーム / 人口変化 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに行なった、フィリピン農業のsharecroppingにおいて主に70年代に起こったhunusanからgamaへの制度移行過程についての調査を総合的に分析するとともに、制度移行の原因を分析する理論モデル(非協力ゲームモデル)の研究を更に発展させ、2種類のモデルを構築した。研究実績の概要は以下のとおりである。 1)フィリピンにおける昨年度までの調査結果を、sharecroppingの観点から総合的に分析・検討した。また、補完的な追加調査を行なった。 2)hunusanからgamaへの制度移行過程についての、2種類の理論モデルを構築した。すなわち、制度移行の原因を、生産力の増大に起因するものとする、従来の農業経済学の主流であった唯物史観的な仮説に基づくゲームモデル、および、制度の移行が、人口増加に伴う収入の不確実性の増加に起因するものであり、生産力の増加は人口増加を通じての間接的な影響をもつにすぎないとする、今回の調査によって示唆された仮設に基づくゲームモデルである。これらのモデルを、環境およびパラメータを比較・検討することにより、それぞれの特徴を分析し、調査結果との整合性を検討した。 3)上述の制度変化のモデルについて、制度研究の第一人者であるGeorge Mason UniversityのYong J.Yoon教授と検討し、知見を得た。 4)現在までの調査で重要視されることになった、gamaにおける、農業労働者にたいする地主からのside paymentの存在を考察するため、上述のモデルをside paymentを導入した形で拡張し、その有効性を検討している。
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Research Products
(4 results)