2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生促進作用を有する生体内分解吸収性の自己組織化マトリックス分子材料の開発
Project/Area Number |
13357014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 俊秀 クラレメディカル株式会社, 研究開発グループ, 研究リーダー
遠藤 克昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (30025613)
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
山田 秀明 クラレメディカル株式会社, 研究開発グループ, 主任研究員
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Keywords | 末梢神経 / 脊髄 / 再生 / アルギン酸 / シュワン細胞 / オリゴデンドロサイト |
Research Abstract |
ヒトヘの臨床応用に先立ちアルギン酸ゲルの構造評価を行った。高分子の架橋体は溶媒に不溶であるため多くの機器分析を行うことができないか、もしくは分析の精度が極端に悪かった。そこで、われわれはこのアルギン酸ゲルの構造をさらに詳細に解析すべく、アルギン酸特異な分解酵素であるアルギナーゼを用いて酵素分解し、溶媒への可溶化させて高感度の機器分析を行った。^1H NMR分析より、エチレンジアミンは定量的にアルギン酸ゲル上にアミド結合を介して固定されていた。また、洗浄過程で除去されていると推定された架橋剤、縮合剤由来の化合物がN-アシルウレア結合等を介してアルギン酸ゲル上に安定化した状態で固定されていた。次に、アルギン酸ゲル上に固定化されたエチレンジアミンの架橋度について定量を行った。可溶化したアルギン酸ゲル溶液試料に用い、ニンヒドリン試験により溶液中に含まれるフリーのアミノ基の定量を行った。アルギン酸ゲル酵素分解後、ゲル中に遊離のエチレンジアミンが存在していないことを確認しており、ニンヒドリン試験で観察されるフリーのアミノ基量は架橋に関与していない片末端アミノ基フリーのエチレンジアミン量とみなせる。この結果、観察される片末端アミノ基フリーのエチレンジアミンは少量であり、大半が有効に架橋していることが示唆された。上記の検討に加えて、アルギン酸ゲルのメタノールソックスレー抽出を実施し、不純物の除去・定量を試みた。この検討により得られた精製アルギン酸ゲル、抽出物、および抽出前アルギン酸ゲルの重量分析、元素分析(C, H, N, Na, Ca, Cl)を行った。以上の結果を総合し、アルギン酸ゲル組成を推定した。アルギン酸ゲルには約13%の食塩および1%の縮合剤由来化合物が不純物として含有される。残りの精製アルギン酸ゲル86%中には、全アルギン酸ユニットに対して、片末端アミノ基フリーのエチレンジアミンが結合したアルギン酸ユニットが1%、架橋に有効に関与しているエチレンジアミンが結合したユニットは24%と推定された。原料の架橋剤、縮合剤申来の化合物が結合したユニットが9%、残りの66%のユニットはカルボン酸およびカルボン酸のNa, Ca塩が存在するユニットから構成されると推定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Wu Sufan: "Bone marrow stromal cells enhance differentiation of cocultured neurosphere cells and promote regeneration of injured spinal cord"Journal of Neuroscience Research. (in press).
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[Publications] Bai H.: "Dissemination and proliferation of neural stem cells on the spinal cord by injection into the fourth ventricle of the rat : A method for cell transplantation"Journal of Neuroscience Methods. (in press).
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[Publications] Hashimoto T.: "Peripheral neural regeneration through gel -analysis of early outgrowth an increase in diameter of regenerated axons"Experimental Brain Research. 146. 356-368 (2002)
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[Publications] Wu Sufan: "Immunohistochemical and electron microscopic study of invasion and differentiation in spinal cord lesion of neural stem cells grafted through CSF in rat"Journal of Neuroscience Research. 69. 940-945 (2002)