2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス性疾患を対象とするESRI・MRI融合型画像解析装置の開発
Project/Area Number |
13357019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20101694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 久喬 九州大学, 医学研究院, 教授 (20089923)
竹下 彰 九州大学, 医学研究院, 教授 (30038814)
小澤 俊彦 放射線医学総合研究所, 副所長 (40160858)
山本 悦治 (株)日立メディコ, 副本部長
門司 晃 九州大学, 医学研究院, 助手 (00294942)
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Keywords | 生体計測ESR / MRI / スピンプローブ / フリーラジカル / 糖尿病 / 胃潰瘍 |
Research Abstract |
多くの疾患の成因・進展に活性酸素・フリーラジカルが関与することが明らかにされつつある。我々は、生体内でのフリーラジカルの産生を無侵襲解析するために生体計測電子スピン共鳴/ニトロキシルプローブ法を開発し、多くの病態モデルでどのような活性酸素・フリーラジカルがいつ産生しているかを明らかにしてきた。さらに、画像化システムを自作し、フリーラジカルの画像化に成功した。しかしこの装置はフリーラジカルしか見えないため、活性酸素・フリーラジカルの産生組織・部位が特定できないという問題点があった。そこで本研究では、融合型ESRI/HRIシステムを新たに開発し、このシステムを用いて酸化ストレス疾患の成因・進展におけるフリーラジカルの係わりを分子レペルで解明すると共に、抗酸化医薬品の無侵襲薬効解析するための基礎知見を提供する。 本年は、ESRI、MRI両画像測定時に位置情報マーカーを用いて重ね合わせることに成功した。異なる装置で異なる画像を正確に重ね合わせるには、それぞれで撮像可能なマーカーを用いて撮像しその位置情報を基準として重ねる必要がある。そこでまず疑似試料(ファントム)を用いた検討を行ったところ、両画像を正確に重ね合わせることができた。さらに予備的に動物の胃腔内、血管内、筋肉内にスピンプローブを投与し検討したところ、スピンプローブの分布位置が投与部位を正確に反映していることが明らかとなった。一方で、病態モデルとして糖尿病、胃潰瘍モデルを用いて、フリーラジカルの産生時期と疾患の進展についても解析し、糖尿病モデルでは血管内で、胃潰瘍モデルでは胃腔内での反応が亢進していることが明らかとなった。 本研究は、これまでフリーラジカルの分布しか見えない画像にMRI画像を重ね、位置情報をも持たせ、病態時のラジカル反応部位を明らかにしようとするものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ksasazaki, K., Yasukawa, K., Sano, H., Yamada, K-i., Utsumi, H.: "Application of in vivo ESR spectroscopy to pharmaceutical sciences-Evaluation of in vivo inhibitory mechanism of anti-gastric lesion drugs-"Appl Magn Reson. (in press).
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[Publications] Ksasazaki, K., Yasukawa, K., Sano, H., Utsumi, H.: "Non-invasive analysis of reactive oxygen species generated in NH_4OH-induced gastric lesions of rats using a 300 MHz in vivo ESR technique"Free Radic Res. (in press).
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[Publications] Matsumoto, S., Koshiishi, I., Inoguchi, T., Nawata, H., Utsumi, H: "Confirmation of superoxide generation via xanthine oxidase in streptozotocin-induced diabetic mice"Free Radic Res. (in press).
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[Publications] Hyodo, F., Yamada, K., Yasukawa, K., Ichikawa, K., Matsumoto, S., Utsumi, H: "Co-registration of free radical distribution and anatomical structure in mice using EPRI and clinical MRI"Free Radic Biol Med. 33・2. S7 (2002)
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[Publications] Nakamura, R., Egarashi, K., Machida, Y., Hayashidani, S., Takeya, M., Utsumi, H., Tsutsui, H., Takeshita, A: "Probucol Attenuates left ventricular dysfunction and remodeling in tachycardia-induced heart failure : roles of oxidative stress and inflammation"Circulation. 106・3. 362-367 (2002)
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[Publications] Machida, Y., Kubota, T., Kawamura, N., Funakoshi, H., Ide, T., Utsumi, H., Li, Y.Y., Feldman, A.M., Tsutsui, H., Shimokawa, H., Takeshita, A: "Overexpression of tumor necrosis factor-alpha increases production of hydroxyl radical in murine myocardium"Am J Physiol Heart Circ Physiol. 284・2. H449-H455 (2002)