2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射化法による極低レベル中性子計測法開発と種々環境における中性子評価
Project/Area Number |
13358010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小村 和久 金沢大学, 理学部, 教授 (00110601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱島 靖典 金沢大学, 理学部, 助手 (60172970)
中西 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (00019499)
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
井上 睦夫 金沢大学, 理学部, 助手 (60283090)
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Keywords | 中性子計測 / 環境中性子 / 放射化法 / Au-198 / γ線 / 低レベル放射能測定 / 尾小屋 / 地下測定 |
Research Abstract |
研究の遂行に必需の極低バックグラウンド仕様の井戸型および平板型ゲルマニウム検出器の納入が1月末になり、本装置を用いた実験は予定よりも遅れた。しかし、遮蔽に用いる鉛材の形状を改善することにより、検出器のバックグラウンド性能を従来よりも約20%低減することに成功した。3月中旬には本格的な稼働にこぎ着けられる見通しである。この間、所有の検出器を用いて環境中性子による金の放射化実験を(1)尾小屋地下測定室トンネル内で中性子フラックスの土かぶり依存性、(2)高層ビルで地上120mまでの高度依存性の測定及び(3)ウラン濃縮工場、核燃料再処理工場が建設中の青森県六ヶ所村で環境中性子の経時変化を測定した(7月から12月にかけて8回)。六ヶ所村の中性子レベルは石川県内での測定値と誤差の範囲内で違いがなく季節変動も見られなかった。測定結果は2002年1月16、17日にむつ市及び六ヶ所村で開催の「青い森・地域エネルギーフォーラム2002」で発表した。 関連研究として広島・長崎の原爆で被曝した約20試料について中性子誘導核種Eu-152及びCo-60の測定を行った。検出されたと報告されている試料でも従来より数十倍高感度必定で上限値しか得られないものが多い結果を得、広島で開催された「原爆中性子線量再評価に関する日米ワークショップ」で発表した。 極低レベルの誘導放射性核種Mn-54およびNa-22の化学分離・測定技術の確立、中性子輸送コードMCNPの移植を完了し理論計算も可能となった。 科研費で購入した種々のターゲット試料は現在尾小屋地下測定室に保管し中性子誘導核種の減衰をおこなっている。 これらの成果を従来の成果と合わせ2002年3月に奈良で行われる国際会議で発表する。新検出器で得られた成果を加えて2002年9月にモナコで開催される"International Conference on Radioactivity in the Environment"およびイギリスのケントで開催される"9^<th> International Symposium On Environmental Radiochemical Analysis"で発表する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Komura: "Radiochemical approach to the JCO criticality accident in Tokai-mura, 1999:An overviews of the radiochemistry group"Journal of Radiation Research(Supplement). 42. S17-S29 (2001)
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[Publications] M.Murata, T.Muroyama, M.Yamamoto, K.Komura: "Activation of soil and chemical reagents exposed to the neutrons released by the JCO criticality accident in Tokai-mura"Journal of Radiation Research(Supplement). 42. S55-S74 (2001)
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[Publications] 小村和久: "原子炉・加速器によらない放射化"放射化分析. 12. 9-19 (2001)
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[Publications] 小村和久: "極低レベル放射能の測定とその応用"radioisotopes. 50周年記年号. 135S-138S (2001)