2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13375005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 英實 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60027480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 勝博 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (20243420)
中務 真人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00227828)
兵頭 政幸 神戸大学, 海域機能教育研究センター, 教授 (60183919)
荻原 直道 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70324605)
中野 良彦 大阪大学, 人間科学部, 講師 (50217808)
|
Keywords | ホミノイド進化 / 中新世中・後期 / 東アフリカ / 人類の起源と進化 / 古生物学的研究 / 人類起源 / ナチョラピテクス / サンブルピテクス |
Research Abstract |
人類学から見たアフリカ大陸は、類人猿の進化、人類の起源と進化の舞台としてことに重要視されるところであるが、それに対応する中新世中期・後期からの化石資料が極めて乏しい。そのため、この時代は「人類化石の大ギャップ期」と呼ばれている。そこで、私共の海外調査では、重要であるにもかかわらず未知の部分が多いこの時代に焦点を合わせ、発掘によるアプローチを長く続けている。13年度も当初の計画に従い、北ケニアのナチョラおよびサンブル地域において発掘および地質学的調査を実施した。その成果は以下の通りである。 ナチョラ地域ではこれまでに多数の化石産地を発見しているが、今年度はこれまでにナチョラピテクス・ケリオイの全身骨格を産出したBG-K化石産地に特に焦点を当て、大掛かりな発掘を行った。第1には、昨年、化石包含層を被う溶岩とその風化土砂の除去作業を行ったところの化石層を幅20メートル、奥行き30メートルにわたり発掘した。その結果、ナチョラピテクスの化石、約200標本を発見した。その中には幼児であるが頭骨が含まれるなど、世界で初めての中新世中期類人猿についての新発見が多々あった。第2は化石層の地質調査であり、下部化石包含層は一回の泥流により形成されたことが判明した。第3は化石包含層を覆う火山岩層の除去であり、第4はサンブルヒルズの化石包含層についての形成機序の解析的調査であった。第5は今回の発掘標本の分析的研究であった。 今回の調査における最大の成果は、ナチョラピテクス・ケリオイの群を群れごと発見した可能性がいよいよ強まったことであり、この類人猿の社会構造をこの数年以内にかなりの正確さで復元できるもと考えている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 中野良彦, 辻川寛, 仲谷英夫, 中務真人, 石田英実: "ケニア北部、サンブルヒルズ地域から発見された足跡化石について"アフリカ研究. 59. 101-114 (2001)
-
[Publications] Urabe, A., Nakaya, H., Muto, T., Katoh, S., Hyodo, M., Xue Shunrong: "Lithostratigraphy and depositional history of the Late Cenozoic hominid-bearing succession in the Yuanmou Basin, Southwest China"Quatemary Science Reviews. 20. 1671-1681 (2001)
-
[Publications] Kabeto, K., Sawada, Y., Iizumi, S., Wakatsuki, T.: "Mantle sources and magma-crust interactions in volcanic rocks from the northem Kenya rift : geochemical evidence"Lithos. 56/2-3. 111-139 (2001)
-
[Publications] 沢田順弘, Kurkura Kabeto, 中山勝博: "東アフリカ大地溝帯の地球科学的研究:回顧と展望"アフリカ研究. 58. 11-18 (2001)
-
[Publications] 中山勝博, 沢田順弘, 実吉玄貴, 樫根知夏子: "北ケニア、ナチョラ-サンブル・ヒルズ地域の1998-99年、堆積学的視点からの地質調査報"島根大学地球資源環境学研究報告. 20. 1-12 (2001)
-
[Publications] Nakano, Y.: "The effects of substratum inclination on the locomotor pattern in primates"Zeitschrift fur Morphologie und Anthropologie. 83(2/3). 1-11 (2002)