2001 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者の介護環境の評価基準と要介護者・介護者のQOLに関する研究
Project/Area Number |
13410050
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
北川 慶子 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00128977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 伸一 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (80260727)
田中 豊治 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (60183464)
斉場 三十四 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30264170)
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Keywords | Quality of Life / 在宅介護 / 介護負担 / 介護負担評価 / 家庭内介護負担 / 外出介護負担 / 虚弱(要介護)高齢者 |
Research Abstract |
佐賀県全域における在宅要介護高齢者のおよび介護者の生活実態調査・介護者の介護負担調査により、本年度における本研究の所期の目的である長期ケアの介護負担と生活の全貌を捉えた。 これまでの介護老人施設における介護と生活の質の調査研究を基に、在宅要介護高齢者の介護満足度と生活実態、および女性に偏りがちな在宅介護と介護負担を、介護をしている介護負担度と健康度、生活意識からとらえるために、調査を佐賀県全域・49市町村において実施した。生活の質はすなわち介護の質である。調査結果から、要介護高齢者は、後期高齢期、介護の担い手は中高年の女性である。有職者(フルタイム)で介護の中心というケースは少数派であり、要介護に重点を置けば、パートタイムか無業とならざるを得ず、介護者を重視すれば、介護不足に陥るという介護者の選択と介護の質との不均衡状態にあることが顕著にみられた。この質的な把握のために、要介護高齢者の現在の健康状態、介護状況、住環境、終末医療意識を重点的に、介護者の介護負担状況、健康状態・健康意識、介護者自身の生活の確保の各部面について調査を実施し分析した。 施設の要介護高齢者と在宅の要介護高齢者の生活比較では、生活満足状況はほぼ同様であるが、質的側面では、定期的に外出を行うプログラム介護の施設と比較すると、在宅の場合は外出が少ない。その要因分析から、家族介護を「家庭内介護負担」と、「外出介護負担」に区分する必要があることが分かった。2重の介護負担により、要介護高齢者の生活の質は自立時と比較すると、低下傾向にあるといえる。介護者は介護期間の長期化と共に「介護慣れ」がみられ、自己の外出や趣味活動など介護以外の活動の時間は確保されている。家族介護は介護保険により介護負担は軽減され、経済的な負担も深刻ではない。要介護高齢者の生活の質は低下、介護者の生活の質は確保という成果を調査によって得た。現在適応と評価基準についての研究を続行中である。
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Research Products
(2 results)