2003 Fiscal Year Annual Research Report
多元文化国家米国における学校の公共性論議に関する史的研究
Project/Area Number |
13410073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大桃 敏行 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10201386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 教授 (60153912)
坪井 由実 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50115664)
小川 佳万 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90284223)
小玉 重夫 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (40296760)
中村 雅子 桜美林大学, 国際学部, 教授 (10227879)
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Keywords | 学校 / 公共性 / アメリカ合衆国 / 多様性 / 歴史研究 |
Research Abstract |
1.資料の検索・収集 昨年度に引き続き、アメリカ教育関連図書の購入、東京大学図書館等での関連資料の検索と収集を行った。 2.研究会の開催 (1)米国史の専門家である竹中興慈(東北大学)を招いてミニシンポジウムを開き、米国史全体のなかでの教育の位置付けについて理解を深めた。(2)「現代米国の教員団体に関する論点と課題」「マサチューセッツ州教育改革とジョン・シルバーの新保守主義思想の分析」「学校選択とチャータースクールの政治的文脈」などのテーマで研究発表が行われ、それを受けて規制改革と教育の公共性、アセスメント行政と統制、チャータースクールとアイデンティティ・ポリティクスなどについて全体討議で検討し、理解を深めた。(3)昨年度に引き続きアメリカ教育の全体史を構想していくうえでの課題・時期区分・領域設定などについて、検討を行った。 3.研究成果の発表と研究成果報告書の作成 (1)日本教育行政学会、日本教育制度学会、日本比較教育学会などで研究成果の発表を行うとともに、(2)(1)建国期B.ラッシュにおいては「モラル」による多様性の統合が意図されていたこと、(2)コモンスクール運動期H.マンの教育長報告書においては'public school'と'common school'が並べて表記される一方で'private school'との差異化ぶ言葉の用法からもたどれること、(3)団体交渉協約も含めた「脱規制化」の進行は教育の公共性を損なう恐れのあることなど、これまでの研究の成果をまとめて研究成果報告書を作成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 下村 一彦: "米国連邦憲法上のホームスクールを行う親の権利"日本教育行政学会年報. 29号. 94-105 (2003)
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[Publications] 下村一彦: "J.G.ドワイヤーの親の教育の権利批判論と「適正なバクチャー」構想"東北教育学会研究紀要. 7号. 29-42 (2003)
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[Publications] 杉浦 慶子: "「ひとつの人種」によるオルターナティブ・スクール設置の経緯と問題"東北教育学会研究紀要. 7号. 43-56 (2003)