2003 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの心と体の主体的発達を促進する生活体験学習プログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
13410084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 悦史 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20218077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 沾一 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20122864)
横山 正幸 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60036902)
猪山 勝利 長崎大学, 教育学部, 教授 (40069480)
山崎 清男 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (20113384)
上野 景三 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30193824)
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Keywords | 生活体験学習 / 通学合宿生活体験学習 / 幼児期の低体温化 / 生活環境 / 生活体験学習プログラム / 生活感 / 世代継承 |
Research Abstract |
本研究は、生活体験学習プログラム開発を目指して、これまで2年間、特に、子どもの心と身体の視点から、(1)幼児期の体力づくりの実態、(2)少年期の日常生活と生活意欲、さらに身体動作に関する参与観察、質問紙調査、身体動作実験観察を行ってきた。この成果は、平成15年度3月に中間報告書として作成した。 平成15年度の研究は、幼児期研究おいては、体力促進プログラムを作成すること、少年期研究では、通学合宿生活体験学習のプログラムを開発することを主たる研究活動としてきた。 (1)幼児期研究では、(1)体力促進に取り組む保育園の保育プログラムの観察、(2)保育園における低体温傾向の幼児の体温測定、(3)低体温児の家庭での生活の変化を捉えてきた。 (2)少年期研究では、(1)九州の特色ある活動である「祭り」の調査を平成14年度から継続調査、(2)通学合宿生活体験学習の発祥の地である庄内町生活体験学校での通学合宿の1週間の参与観察、(3)参加した子どもの父母の質問紙調査も行った。 平成15年度の研究の成果として、(1)幼児期研究での成果は、(1)幼児期から生活のリズムが壊れ、低体温が起こっている、(2)低体温児は身体を動かすことが少なく、毎日の睡眠時間が平均して少ない、(3)食事や食物の摂取に偏りが見られ、朝食を食べさせられていない幼児も多く、習慣化している。 (2)少年期研究では、(1)平成15年度に行ったアンケートの分析・検討を行った。全体に日常生活において生活感がなくなってきている。一方で、生活意欲が自己感性に支配されていることがかなり大きい。(2)「祭り」調査では参加している子どもを支えている意識は、激しい体力の行使にもかかわらず、世代継承の誇りと日常生活の中での晴れがましい誇りに支えられている。(3)通学合宿生活体験学習の参与観察では、(ア)生活の一つ一つのプロセスが見える、(イ)生活環境が子どもの生活リズムと合致し、子どももそのことを受容し、心と身体の安定性を生み出している、(ウ)異年齢集団の子ども集団としての必要性の確認、(エ)親が教えないことは実際生活でできないことが多く、大人ボランティアの役割に頼れない生活の基本の家庭での習得などを究明した。 研究の成果は、平成16年3月に、これまでの研究成果として報告書を作成する。
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