2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13410112
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES |
Principal Investigator |
増谷 英樹 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50083225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10162950)
相馬 保夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90206673)
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90172551)
安村 直己 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30239777)
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Keywords | ディアスポラ / エスニシティ / 移民 / ユダヤ / 西洋近代 / 国民国家 / ドイツ系移民 / 帝国 |
Research Abstract |
15年度は、本プロジェクトの最終年度にあたることから、研究成果の取りまとめをめざして、研究会・ワークショップの開催と補足的な現地調査を中心に活動した。本プロジェクトでは、3年間にわたって(1)近代ヨーロッパにおけるユダヤ/ディアスポラ問題、(2)近代ヨーロッパにおける移民/ディアスポラ問題、(3)近代南北アメリカにおける移民/ディアスポラ問題という3本の柱を軸に研究を進めてきたが、本年度はこれに加えて、とくに(2)と(3)のテーマに関連し、大西洋を跨ぐかたちでヨーロッパから南アメリカに移動した「ドイツ系」移民について焦点を当てた。ブラジル・パラナ連邦大学から2人の研究者を招いて国際ワークショップ(12月11日、東京外国語大学海外事情研究所)を開催したのに加え、現地での聞き取りと資料調査(2004年1月、ブラジル・パラナ州ブルメナウ他、増谷英樹・鈴木茂)を行なった。また、9月には、国際学会のためメキシコから来日中であった2人の研究者を招いて、国際ワークショップを開催した。さらに、ブラジル・サンパウロ在住の映像作家、岡村淳氏を招いて、日本人移民に関する同氏制作の最新ドキュメンタリーの上映と講演、討論を公開で行なった。 今年度に開催したワークショップ・研究会は以下の通りである。(開催場所は、公開研究会を除いてすべて東京外国語大学・海外事情研究所。公開研究会は東京外国語大学227番教室) ・定例研究会「ホロコーストの歴史と記憶-ドイツにおける研究・展示の現状」(6月4日)報告:相馬保夫 ・定例研究会「アメリカ合衆国南部の農場から都市への移動がもたらした生活の変化」(7月16日)報告:佐々木孝弘 ・公開研究会「移住41年目のビデオレター・グアタパラ編」講演とビデオ上映:岡村淳(映像昨夏)(11月27日) ・国際ワークショップ「スペイン帝国における人の移動-先住民の視点から」 報告:(1)ハンス・ロスカンプ(コレヒオ・デ・ミチョアカン)「メキシコ先住民史における起源と移動-16-18世紀ミチョアカンの事例」(2)カルロス・パレデス(社会人類学高等研究院)「植民地期ミチョアカンにおける先住民の移動と定住」コメント:安村直己 ・国際ワークショップ「ドイツ系移民の世界的広がり-ブラジル南部ドイツ系コミュニティをめぐって」(上述) 報告:マリオン・プレポール「ドイツ系移民・アイデンティティ・ナショナリズム」 セルジオ・ナグリン「文化接触の人口史の試み」 コメント:永原陽子・清水明子(東京外国語大学非常勤講師)
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[Publications] 増谷 英樹: "ナチ支配下のオーストリアにおける強制労働"クァドランテ. 第6号. 200-219 (2004)
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[Publications] 相馬 保夫: "ホロコーストの歴史と記憶-ドイツにおける研究と展示-"史潮. 第53号. 52-64 (2003)
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[Publications] 永原 陽子: "アフリカの人々の暮らし-伝統と女性から考える"歴史地理教育. 658号. 24-27 (2003)
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[Publications] 永原 陽子: "翻訳:パトリシア・ヘイズ「エフンドゥーラと歴史-植民地化以前および植民地体制下の北部ナミビアにおける女性のイニシエーション」"国立民族学博物館地域研究企画交流センター 連携研究報告書「アフリカ女性史に関する基礎的研究」JCAS Occasional Paper. No.17. 21 (2003)
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[Publications] 永原 陽子: "女子割礼/FGM問題の歴史的考察のために-南部アフリカの女子イニシエーションをめぐる最近の研究から"地域研究. Vol.6, No.1. 137-159 (2003)
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[Publications] 割田 聖史: "新聞からみる『地域』『ポーゼン大公国新聞』の分析から"クァドランテ. 6号. 150-174 (2004)
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[Publications] 鈴木 茂: "土地なし農民運動(MST)-新自由主義時代の社会運動の可能性"神奈川大学評論. 45号. 81-87 (2003)
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[Publications] 工藤 光一: "『記憶の場』と現代フランスの歴史叙述"クァドランテ. 第6号. 2-5 (2004)
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[Publications] 金井 光太朗: "洗練文化から見る資本主義社会の成立とアメリカの逆説"アメリカ史評論. 21号. (2003)
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[Publications] Kotaro Kanai: "Gentility and Self-discipline in the Mansion Home, and a Tall Case Clock from Eighteenth Century New England : A Study in Material Culture."Nanzan Review of American Studies. Vol.25. (2004)
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[Publications] 永原 陽子: "和解と正義-南アフリカ『真美和解委員会』を越えて『歴史の壁をこえて-共生の未来へ』"法律文化社. (2004)
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[Publications] 立石 博高: "スペイン歴史散歩"行路社. 153 (2004)