2002 Fiscal Year Annual Research Report
未翻刻浄瑠璃正本の網羅的調査・翻刻による浄瑠璃の基礎研究
Project/Area Number |
13410127
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鳥越 文蔵 早稲田大学, 文学部, 名誉教授 (60063509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼築 清恵 (坂本 清恵) 玉川大学, 文学部, 助教授 (50169588)
和田 修 早稲田大学, 文学部, 助教授 (20240541)
内山 美樹子 早稲田大学, 文学部, 教授 (30063704)
神津 武男 日本学術振興会, 特別研究員
黒石 陽子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40247268)
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Keywords | 人形浄瑠璃 / 浄瑠璃正本 / テキストデータ / 電子入力の方法 |
Research Abstract |
(1)浄瑠璃正本善本の影印資料の作成・収集とそのための正本調査 未翻刻浄瑠璃作品の翻刻を行う上で必要な、底本となるべき最善本、及び校合を行うために必要な副本となるべき正本を選択するために、昨年に引き続き浄瑠璃正本を所蔵する全国の各機関を対象に調査を行った。調査を実施したところは以下の各機関である。大阪市立中央図書館、京都府立総合図書館、京都大学附属図書館、国立文楽劇場、米沢市立米沢図書館、東北大学附属図書館、三島市立図書館、大阪府立中之島図書館、天理大学附属図書館、善通寺市立図書館、瀬戸内海歴史民族資料館、神戸市立図書館、関西大学図書館、沼津明治史料館、豊田市中央図書館、豊田市郷土資料館、九州歴史博物館分館柳川古文書館、荒尾市立図書館、香川県歴史博物館・香川県立図書館・倉敷市立玉島図書館、滋賀医科大学附属図書館、神戸女子大学図書館、大阪音楽大学音楽図書館。これまで『義太夫年表 近世篇』によってまとめられた正本の諸本の中には見いだせなかった新たな資料が発見され、大きな成果が得られた。この調査結果に基づき諸本の中から正本の選択を行い、必要な正本について影印資料を作成した。今年度は前年度に引き続き、全体の三分の一程度の収集を終え、全体の三分の二程度の収集が進行した。 (2)電子入力の方法の研究 昨年度に引き続き、電子入力の方法について、翻刻作業を進めながら検討した。漢字処理の問題はかなり明確になってきたが、文字譜の処理については個々のケースについて詳しく検討することが必要であり、まだ今後多くの事例を研究しながらまとめていく必要がある。 (3)電子入力の進行 昨年度第4次翻刻まで完了したものが3作品あったが、その後第5次翻刻まで進行し、一応の完成を見たものが5作品となった。さらに新たに第1次翻刻を開始したものが数点あり、鋭意進行中である。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 内山美樹子: "「小篠」以前-能「正儀世守」と元曲「蝴蝶夢」"国語と国文学. 79・4. 1-16 (2002)
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[Publications] 内山美樹子: "竹本政太夫・豊竹若太夫"国文学. 47・6. 122-124 (2002)
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[Publications] 内山美樹子: "浄瑠璃再発見(五)-松王の疎外感"国立劇場139回文楽プログラム. 24-25 (2002)
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[Publications] 内山美樹子: "浄瑠璃再発見(六)-「神霊矢口渡」復活上演のころ"国立劇場140回文楽プログラム. 22-23 (2002)
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[Publications] 内山美樹子: "浄瑠璃再発見(七)-六・七段目の作者"国立劇場141回文楽プログラム. 14-15 (2002)
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[Publications] 内山美樹子: "中国戯曲から「生写朝顔話」への流れと周縁"「朝顔日記」の演劇史的研究. 6-22 (2003)
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[Publications] 内山美樹子: "二十世紀中・後期(一九五七〜九五)の文楽「生写朝顔話」"「朝顔日記」の演劇史的研究. 192-233 (2003)
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[Publications] 内山美樹子: "浄瑠璃再発見(八)-近松生誕三五〇年目の文楽"国立劇場142回文楽プログラム. 22-23 (2003)
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[Publications] 内山美樹子: "「狭夜衣鴛鴦剣翅」の上演"21世紀COE演劇研究センター紀要. (未定). (2003)
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[Publications] 内山美樹子: "十世豊竹若大夫、晩年の奏演をめぐって"21世紀COE演劇研究センター紀要. (未定). (2003)
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[Publications] 坂本清恵: "近代語の発音-謡曲伝承音との関係-"国語と国文学. 79・11. 11-24 (2002)
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[Publications] 黒石陽子: "『双蝶蝶曲輪日記』六段目「橋本」冒頭描写の意味-「けいせい浅間嶽」の活用と澤村長十郎-"東京学芸大学紀要第二部門. 54. 311-320 (2003)
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[Publications] 神津武男: "浄瑠璃本『増・補/生写朝顔話』の成立とその時代-山田案山子と近松狂言堂、文楽翁の浄瑠璃制作-"「朝顔日記」の演劇史的研究. 78-133 (2003)
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[Publications] 神津武男: "竹本摂津大掾旧蔵人形浄瑠璃番付集について-成立と伝来、及び細目の紹介"国文文学研究資料館紀要. 29. 189-275 (2003)
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[Publications] 神津武男: "『奥州安達原』第三ノ切「袖萩祭文の段」現行本文の成立に関する研究"演劇映像. 44. 1-17 (2003)
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[Publications] 神津武男: "新出浄瑠璃本『和泉式部軒端梅』の紹介と翻刻-その他、明和前期の江戸人形浄瑠璃新出資料の紹介-"沼津市博物館紀要. 1-27 (2003)
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[Publications] 神津武男: "浄瑠璃本の刊行日-刊と、初演興行初日との前後関係について-"21世紀COE演劇研究センター紀要. (予定). (2003)