2001 Fiscal Year Annual Research Report
現代世界における言語の多層化と多重言語使用がもたらす文化変容をめぐる多角的研究
Project/Area Number |
13410144
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 立命館大学, 文学部, 教授 (40172621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 助教授 (80252500)
西川 長夫 立命館大学, 人文科学研究所, 教授 (00066622)
渡辺 公三 立命館大学, 文学部, 教授 (70159242)
細見 和之 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (90238759)
長 志珠絵 神戸市外語大学, 外国語学部, 助教授 (30271399)
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Keywords | 比較文学 / 国民国家 / 翻訳理論 / 多言語主義 / 社会言語学 / 文化人類学 / 帝国 / 歴史学 |
Research Abstract |
当初「多言語・多文化主義」「言語帝国主義」「複数言語使用の実態」「マイナー文学」の四つをキーワードとしたが、(1)多言語・多文化主義の問題は「帝国」的な多言語状況の歴史的研究と不可分であること、(2)言語帝国主義の問題は「文化翻訳」の問題と結びつけて考えるべきであること、(3)複数言語使用の問題は文学における一言語使用の問題と絡めて考えるべきであるということ、(4)マイナー文学は上の三点を踏まえたうえでこそ論じられるべきであるということ、などを確認できた。研究会活動を進める上で、立命館大学国際言語文化研究所の講座企画で京都に招かれてきた作家マリーズ・コンデさん、白老アイヌ民族資料館員 の野本正博さん、弦楽器奏者の加納沖さん、思想研究者の酒井直樹さんとの交流から多くを学ぶことができた。研究分担者の会合では、江川がオスマン帝国期の都市イスタンブールの言語状況及び演劇ポスターの多言語性について発表をおこない、「帝国」内部の多文化共存の状況を今日的な「多言語主義」の観点からどう見ていくべきかについて議論し、また西がジョーゼフ・コンフッドの初期作品と言語使用の問題について発表をおこない、帝国主義と文学のあいだに共犯性以外の何が存在しうるかについて議論した。また外国旅費の予算枠を用いて、崎山が9月にニューヨークヘ、西川が3月にマルチニークへ資料収集に出かけ、来年度早々に成果報告をおこなう予定である。また設備備品費を用いて購入したアイヌ関連、琉球関連、西インド諸島関連の歴史資料の分析は次年度の大きな課題である。来年度中に中間報告を兼ねた半公開のワークショップを考えている。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 西成彦: "ユダヤ文学の語りの戦略"シリーズ言語態(6)間文化の言語態(東京大学出版会). 237-255 (2002)
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[Publications] 西成彦: "フルブンと「死刑囚」の詩的言語使用"モダニズムの越境(全3巻)(人文書院). 第3巻. 75-100 (2002)
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[Publications] 西川長夫: "欧州統合と国民国家の行方"普遍性か差異か(藤原書店). 111-137 (2001)
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[Publications] 崎山政毅: "「対立」と「相補性」の狭間で-『テンペスト』を《迂回しながら読む》試みとして-"複数のテンペスト(仮題)(人文書院). (掲載予定). (2002)
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[Publications] 長志珠絵: "ナショナル・シンボル論"岩波講座近代日本文化史(3)近代知の成立(岩波書店). 123-160 (2002)
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[Publications] 細見和之: "ベンヤミン「翻訳者の使命」について"纜(らん). 2号. 49-59 (2002)
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[Publications] 西川長夫: "戦後歴史学と国民国家論、その後"歴史の理論と教育. 110号. 1-20 (2001)
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[Publications] 西川長夫: "戦争と文学--文学者たちの12月8日をめぐって"立命館文学. 573号. 14-34 (2002)
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[Publications] 西川長夫: "久米邦武編『米欧回覧実記』におけるヨーロッパ像"立命館経済学. 50巻5号(掲載予定). (2002)
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[Publications] 長志珠絵: "臨界点としての漢字・漢学--帝国の内なる「他者」の行方--"日本史研究. 462号. 78-117 (2001)
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[Publications] 細見和之: "倉橋健一、もうひとつの<詩史論>の可能性"現代詩手帖(思潮社). 44巻7号. 74-86 (2001)