2003 Fiscal Year Annual Research Report
大気中の酸素濃度と二酸化炭素の炭素同位体を用いた地球規模の炭素循環の解明
Project/Area Number |
13440137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 助手 (80282151)
佐伯 田鶴 東北大学, 総合地球環境学研究所, 助手 (30302243)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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Keywords | 二酸化炭素 / 酸素 / 同位体 / 陸上生物圏 / 海洋 / 吸収源 |
Research Abstract |
人間活動によって大気に放出された二酸化炭素が陸上生物圏と海洋にどのくらい吸収されているかを定量的に評価するために、二酸化炭素濃度と炭素同位体を組み合わせて解析する方法と、酸素濃度と二酸化炭素濃度を組み合わせて解析する方法を実施した。まず二酸化炭素濃度と炭素同位体を組み合わせて解析することによって得られた人為起源二酸化炭素の陸上生物圏と海洋による吸収量を1984-2000年の期間について評価した。その結果二酸化炭素吸収は、陸上生物圏について1.21GtC/yr、海洋について1.59GtC/yrとなり、観測期間全体を平均すると陸上生物圏も海洋も二酸化炭素の吸収源となっていたことが明らかになった。これらの吸収源の強度は年々変動しており、特に陸上生物圏による吸収がエルニーニョ現象や火山噴火による異常気象の影響を強く受けて変化することが明らかになった。一方、酸素濃度と二酸化炭素濃度を組み合わせることによって評価した1999-2003年の二酸化炭素吸収は、陸上生物圏について1.1±1.0GtC/yr、海洋について2.0±0.6GtC/yrと見積ることができた。2つの独立した研究から得られた成果を観測期間がほぼ重なっている時期について比較した。陸上生物圏による二酸化炭素吸収量は、二酸化炭素濃度と炭素同位体から得られた1994-2000年の値が0.90GtC/yrであり、酸素濃度と二酸化炭素濃度から得られた値が1.1±1.0GtC/yrと評価された。また、海洋による二酸化炭素吸収量は、二酸化炭素濃度と炭素同位体から得られた1994-2000年の値が1.73GtC/yrであり、酸素濃度と二酸化炭素濃度から得られた値が2.0±0.6GtC/yrと評価された。2種類の全く異なった研究方法によって得られた結果が良く一致しているため、本研究によって信頼性の高い結果が得られたと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ishidtoya, S., Aoki, S., Nakazawa, T.: "High precision measurements of the atmospheric O_2/N_2 ratio using a mass spectrometer"J.Meteorol.Soc.Japan. 81. 127-140 (2003)
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[Publications] Morimoto, S., Nakazawa, T., Aoki, S., Hashida, G., Yamanouchi, T.: "Concentration variations of atmospheric CO_2 observed at Syowa Station, Antarctica from 1984 to 2000"Tellus. 55B. 170-177 (2003)
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[Publications] Sugawara, S., Kawamura, K., Aoki, S., Nakazawa, T., Hashida, G: "Reconstruction of past variations of δ^<13>C in atmospheric CO_2 from its vertical distribution observed in firn at Dome Fuji, Antarctica"Tellus. 55B. 159-169 (2003)
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[Publications] Kawamura, K., Nakazawa, T., Aoki, S., Nakata, H., Sugawara, S., Watanabe, O: "Variation of the CO_2 concentration for the past 320,000 years deduced from the Dome Fuji deep ice core, Antarctica"Tellus. 55B. 126-137 (2003)
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[Publications] Aoki, S., Nakazawa, T., Machida, T., Sugawara, S., Morimoto, S., Hashida: "Carbon dioxide variations in the stratosphere over Japan, Scandinavia and Antarctic"Tellus. 55B. 178-186 (2003)
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[Publications] Stauffer, B., Fluckiger, J., Monnin, E., Nakazawa, T., Aoki, S.: "Discussion of the reliability of CO2, CH4 and N2O records from polar ice cores"Mem.Natl.Inst.Polar Res.Spec.Issue. 57. 139-152 (2003)
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[Publications] 青木周司 共著: "月間地球 地球システム変動の解明をめざして 氷床コア解析によって明らかにされた過去の気候変動と大気組成の変化"海洋出版株式会社. 223 (2004)