2003 Fiscal Year Annual Research Report
イオン周囲のミクロ環境制御による高機能イオン会合試薬の設計・合成と分析化学的応用
Project/Area Number |
13440220
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本水 昌二 岡山大学, 理学部, 教授 (50032826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 俊夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50263554)
大島 光子 岡山大学, 理学部, 助教授 (80108117)
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Keywords | イオン会合 / ソルバトクロミズム / アゾ系陽イオン試薬 / シアニン系陽イオン試薬 / イオン周囲ミクロ環境 / イオン移動度 / イオン会合定数 / イオン会合論 |
Research Abstract |
水溶液内の疎水構造型イオン会合の普遍的重要性に着目し,イオンの周りのミクロ環境及び水構造制御による高機能発現を活用した高機能イオン会合試薬の設計と合成を行った。これらの合成試薬を用いる新しい分離法,分析法を開発した。更に,申請者の提唱した水溶液内イオン会合論の実証的研究を進めた。 1.イオン周囲のミクロ環境を制御した新規イオン会合試薬の設計と合成:イオン会合性,ソルバトクロミズム発現,水への溶解性,イオン会合体の疎水性場への親和性等の分離・分析上重要な機能を備えた試薬として,アルキルアミノフェニルアゾアニリニウムイオン及びシアニン系陽イオンの誘導体を合成した。アルキル基のメチレン基数を増すにつれて,これら陽イオンと有機陰イオンのアルキルベンゼンスルフォネートイオン(ABS^-)との反応性は増大し,新イオン会合論を裏付ける結果を得た。また,アルキル基が長くなるにつれて,陽イオン色素の発色団の近傍におけるミクロ環境が親水性から疎水性に変わり,ソルバトクロミズムが発現し,吸収波長のシフトが起こった。本ソルバトクロミズム現象を利用することにより,10^<-7>Mオーダーの陰イオン界面活性剤の水溶液一層系での吸光光度定量が可能となった,更に,イオン会合体の疎水性場への分配特性も大幅に向上し,新規開発のイオン会合試薬の分離・分析試薬としての有用性が実証された。 2,イオンの周りのミクロ環境と水構造の相関研究:キャピラリー電気泳動法による精密イオン移動度測定法を開発し,電荷,イオン半径の異なる各種無機,有機イオンのストークス半径及び比較的弱いイオン会合定数を正確に求めることに成功した。これらの結果から,イオン周囲の水構造を推定することに成功した。ストークス半径とイオン会合性(イオン会合定数)における良好な相関も発見した。これらの結果は,新イオン会合論を直接的に支持するもので,新しい分離・分析試薬開発の大きな指針となった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Sabarudin, M.Oshima, S.Motomizu: "Ultrace determination of phosphorus in ultrapurified water by a slope comparison method"Anal.Chim.Acta. 481. 311-319 (2003)
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[Publications] J.Mbuna, T.Takayanagi, M.Oshima, S.Motomizu: "Investigation ot weak ion association equilibria between anions and tetraalkylammonium ions in ethanol-aqueous media by capillary zone electrophoresis"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 77(in press). (2004)
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[Publications] Akhmad Sabarudin, M.Oshima, N.Jshii, S.Motomizu: "Novel Flow Injection-Fluorometric Methods for the Determination of Trace silicate and Its Application to Ultrapurified Water Analysis"Talanta. 59. 1277-1285 (2003)
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[Publications] J.Mbuna, T.Takayanagi, M.Oshima, S.Motomizu: "Evaluation of Weak Ion Association between Tetraalkylammonium Ions and Inorganic anions in Aqueous Solutions by Capillary Zone Electrophoresis"J.Chromatogr.A.. 1022. 191-200 (2003)
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[Publications] R.Driouich, T.Takayanagi, M.Oshima, S.Motomizu: "Synthesis of water-soluble phenylazosalicylaldehyde analogues and their application to capillary electrophoretic determination of primary amines"Electrophoresis. (In press). (2001)
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[Publications] 本水昌二: "イオン会合と分析化学"ぶんせき. 2003. 734-736 (2003)
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[Publications] 梅澤喜夫, 本水昌二, 渡会仁, 寺前紀夫編: "基礎分析化学実験"東京化学同人. 155 (2004)