2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450021
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
一宮 彪彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00023292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 仁 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (20293649)
秋本 晃一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40262852)
|
Keywords | シリコン / ナノ構造 / ステップダイナミックス / 走査トンネル顕微鏡 / シリコン表面 |
Research Abstract |
本研究では昨年度まで温度可変走査トンネル顕微鏡(VT-STM)の探針を用いてSi(111)およびSi(001)表面にナノメートルサイズのシリコンピラミッドを形成し、その緩和過程から表面におけるステップへの付着・脱離過程とナノ構造の安定性を調べた。本年度は特にSi(111)表面上に形成されたシリコン・ナノピラミッドにシリコン原子を蒸着する事によるピラミッドの形状の変化を詳細に調べた。 Si(111)表面上に形成されるナノピラミッドは通常、崩壊とともに緩和する。これらのピラミッドにシリコン原子を蒸着すると、蒸着中においても崩壊するであろうという当初の予測に反して、ピラミッドは成長することを本研究で初めて明かにした。本実験では、基板温度400℃から500℃の範囲において、シリコンを毎分0.1原子層の速度で蒸着しながらVT-STMにおいてその場観察した。昨年度までのシリコンピラミッドの崩壊過程での結果ではピラミッドの{311}および{221}ファセットは崩壊とともに{221}ファセットが優勢になるのに対し、成長では初期の段階で{221}ファセットが消失し、{311}ファセットのみが残るとともに、{311}ファセットは{1255}ファセットに変化した。このことはシリコン表面において、{221}ファセットは成長速度が大きい事を示している。また{311}ファセットの比べて{1255}ファセットは成長条件ではエネルギー的に低い状態にある事をしめした。 崩壊過程ではピラミッドUとFの崩壊過程は非常に異なったが、成長過程では大きな変化は見られなかった。これらのピラミッドへのシリコン蒸着でははじめ頂上の数層が崩壊するがその後各層は成長を始めることを見出した。成長においては下層の原子層は成長をはじめるのに対し、上層の原子層は、下層の原子層がある臨界高さまで成長した後に成長をはじめることを明かにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hisada Y, Aoyama T, Ichimiya A, Mukainakano S: "Reconstruction of the 6H-SiC(0001) root3×root3-R30degrees surfaces by adsorption of hvdrogen in ultra high vacum"MAT SCI ENG B-SOLID. 96・2. 137-140 (2002)
-
[Publications] Kawamura T, Toyoshima S, Ichimiya A: "Decay of pyramidal nano-island formed on Si(100) studied by kinetic Monte Carlo simulation"SURF SCI. 514・1-3. 60-67 (2002)
-
[Publications] Kawasuso A, Ishimoto T, Okada S, Itoh H, Ichimiya A: "Reflection high-energy positron diffraction at solid surfaces by improved electrostatic positron beam"APPL SURF SCI. 194・1-4. 287-290 (2002)
-
[Publications] Aoyama T, Hisada Y, Ichimiya A, Mukainakano S: "Adsorbate effects of the surface of 6H-Sci(0001) root3×root3-R30 degrees"MATER SCI FORUM. 389・3. 705-708 (2002)
-
[Publications] Emoto T, Akimoto K, Ichimiya A, Hirose A: "Strain due to nickel diffusion into hydrogen-terminated Si(111) surface"APPL SURF SCI. 194・1-4. 113-120 (2001)
-
[Publications] Aoyama T, Hisada Y, Ichimiya A, Mukaimakano S: "Structural study of the SiC(0001)(root3×root3-)-R30 degrees surfaces reflection high-energy electron diffraction rocking curves"JPN J APPL PHYS2. 41・(2B). 174-177 (2002)