2002 Fiscal Year Annual Research Report
非対称結合量子井戸を用いた半導体フォトリフラクティブ素子の研究
Project/Area Number |
13450027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 修 神戸大学, 工学部, 助教授 (20282593)
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90196543)
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
芦原 聡 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10302621)
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Keywords | AlGaAs / GaAs量子井戸 / フォトリフラクティブ素子 / 結合量子井戸 / 近赤外線 / エキシトン共鳴 / 実時間ホログラム / 量子閉じ込めシュタルク効果 / 空間光変調器 |
Research Abstract |
フォトリフラクティブ材料は、空間的に不均一な光の照射によって電荷移動が生じ、電気光学効果により光学定数が変化する材料であり、2次元並列情報処理デバイスとして実用化が期待されている。特に最近では、分光ホログラフィック法を用いたフェムト秒光パルスの波形制御における実時間ホログラム素子への応用が注目されている。われわれはこれまでInGaAs/GaAs半導体量子井戸構造を持つフォトリフラクティブ素子を製作し、バルクの半導体素子に比べ感度を大幅に改善できることを証明した。本研究の目的は、単純な量子井戸構造に代えて、トンネル障壁層を介して複数の特性の異なる量子井戸を結合させた非対称結合量子井戸構造を導入する事により、総合的に素子性能の向上を図ることにある。本年度はAlGaAs/GaAs量子井戸のエキシトン共鳴を用いたフォトリフラクティブ素子を製作し、性能を評価した。特に縦型配置では、外部電界を遮蔽する電荷トラップが重要である。電荷は多重量子井戸とクラッド層の界面でトラップされるから、界面におけるエネルギーステップが素子特性に大きく影響する。このことを確かめるため、エネルギーステップの異なるサンプルを作成し、諸特性を計測した。多重量子井戸とクラッド層の間のエネルギーギャップが大きいと、電荷が界面に蓄積され、それが横方向に滲み出るため空間分解能が低下し、同時に回折効率も劣化することが分かった。また、電荷の蓄積の有無により時間応答も大きく異なることが分かった。特にエネルギーギャップを最小に抑え、多重量子井戸からクラッド層を通し電荷をリークすることにより、定常動作が可能になることを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 岩本敏, 志村努, 黒田和男: "半導体量子井戸フォトリフラクティブ素子とその応用"レーザー研究. Vol.30,No.4. 159-165 (2002)
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[Publications] M.-S.Nomura, K.Kuroda 他: "Density clamping and longitudinal spatial hole burning in a gain-clamped semiconductor optical amplifier"Applied Physics Letters. Vol.81,No.15. 2692-2694 (2002)
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[Publications] S.Ashihara, K.Kuroda 他: "Soliton compression of femtosecond pulses in quadratic media"Journal Optical Society America B. Vol.19,No.10. 2505-2510 (2002)
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[Publications] R.Fujimura, K.Kuroda 他: "Photorefractive and photochromic properties of Ru-doped Sr_<0.61>Ba_<0.39>Nb_2O_6 crystal"Optics Communications. Vol.213,No.4-6. 373-378 (2002)
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[Publications] Kazuo Kuroda (ed.): "Progress in Photorefractive Nonlinear Optics"Taylor & Francis. 319 (2002)