2001 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題解法を用いたナトリウムエアロゾル群のふく射・散乱特性同定
Project/Area Number |
13450079
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 一彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40142690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 明野 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50241352)
黒田 明慈 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90202051)
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Keywords | ふく射伝熱 / 複素屈折率同定 / 逆問題 / ナトリウムエアロゾル / ナトリウム火災 / Mie散乱 / 数値解析 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
1.高温液体ナトリウムの発火・燃焼実験時の、酸化ナトリウムエアロゾル群の粒径分布、体積濃度、およびこれを通したふく射の透過率のデータを調査した。この結果、この実験で生じた酸化ナトリウムエアロゾルは、個数平均粒径0.5μm、対数標準偏差2.0の対数正規分布を有する粒径分布をなし、体積濃度は0.01、1m厚さのエアロゾル群のふく射透過率は0.179であることがわかった。 2.酸化ナトリウムの複素屈折率の推定値を与えて、上記条件のエアロゾル群中でのふく射の透過率を求めるための1次元非灰色ふく射伝熱プログラムを開発した。ここで、粒子の散乱はMie散乱とした。 3.このプログラムを用い、複素屈折率中の屈折率と吸収指数を色々変えて透過率を計算で求め、実測された透過率に合う複素屈折率の範囲を調べた。この結果、酸化ナトリウムの複素屈折率(m-n-ik)において、屈折率は、n【similar or equal】1のごく近傍の値をとること、またkの値を定めるには、0度方向(エアロゾル層のふく射透過方向)と30〜40度方向の透過率を調べれば良いことが示された。 4.上記で推定された範囲の複素屈折率を用い、水蒸気分圧0.1atの空気中に浮遊するエアロゾル粒子群を通しての1次元非灰色ふく射伝熱を解析し、水蒸気の存在が系内の温度分布や透過率に与える影響について明らかにした。 5.上記2の逆解析手法で、酸化ナトリウムエアロゾル群の複素屈折率の同定が可能であることを示すための実験を来年度に予定しているが、これに関し、同じ系を対象にふく射透過解析を行うための、エアロゾル群中3次元非灰色ふく射伝熱解析プログラムを開発した。
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