2002 Fiscal Year Annual Research Report
InN、GaNおよびその混晶によるヘテロ構造の作製とHFETへの応用に関する研究
Project/Area Number |
13450131
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
名西 やす之 立命館大学, 理工学部, 教授 (40268157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 講師 (20312126)
今井 茂 立命館大学, 理工学部, 教授 (40223309)
高倉 秀行 立命館大学, 理工学部, 教授 (30112022)
播磨 弘 京都工芸繊維大学, 電子情報工学科, 教授
鈴木 彰 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授
|
Keywords | InN / RF-MBE / 極性 / バンドギャップ / ヘテロ接合 / HFET / モンテカルロシミュレーション / 最大ドリフト速度 |
Research Abstract |
本年度は、高品質InN薄膜の結晶成長とその結晶性、電気的、光学的特性評価に加え、InNヘテロ接合に関する基本検討を行った。以下に成果概要を示す。 1.RF-MBE法によるInN成長において、結晶性の成長温度依存性について検討を行った。その結果、InNの分解が起こらない範囲のできる限り高温で成長することにより、ラマン散乱評価においてE_2モードの半値幅が3.7cm^<-1>という世界最高レベルの高品質InNを得ることに成功した。 2.上記検討結果をもとに作製された高品質InNにおいては、キャリア濃度5×10^<18>cm^3、移動度1120cm^2/Vsという大幅な電気的特性の改善を実現することができた。またPL測定、光吸収測定により、InNのバンドギャップが従来考えられていた約1.9eVではなく、約0.8eVにあることを世界に先駆けて見出した。また低温InNバッファ層の導入により、組成分離を伴わないInリッチ側のInGaN混晶の高品質化にも成功した。 3.InNを用いたヘテロ構造作製の基本検討として、Si基板上にInNの結晶成長を行い、n-InN/p-Siによるpnヘテロ接合の形成を試みた。その結果、Si基板上への単結晶InNの作成に成功し、これを利用したn-InN/p-Siヘテロ接合において整流性を確認した。 4.InNを用いたデバイス特性予測を行うための基本検討として0.8eVのバンドギャップをもつInNについて、Analytical Band Monte Carlo Simulation (ABMC)を用いて最大ドリフト速度、移動度、Velocity Over Shootの特性をシミュレーションした。その結果、これらの特性は過去に予測されていたものより低くなるものの、GaNに比べると最大ドリフト速度、移動度が大きく、InNをチャネル層としたHFETの高速化の可能性を示唆する結果が得られた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Y.Saito, H.Harima, E.Kurimoto, T.Yamaguchi, N.Teraguchi, A.Suzuki 他: "Growth Temperature Dependence of Indium Nitride Crystalline Quality Grown by RF-MBE"phys.stat.sol.(b). 234. 796-800 (2002)
-
[Publications] M.Hori, K.Kano, T.Yamaguchi, Y.Saito, T.Araki, Y.Nanishi 他: "Optical Properties of InxGal -xN with Entire Alloy Composition on InN Buffer Layer Grown by RF-MBE"phys.stat.sol.(b). 234. 750-754 (2002)
-
[Publications] Y.Saito, T.Yamaguchi, H.Kanazawa, K.Kano, T.Araki, Y.Nanishi 他: "Growth of high-quality InN using low-temperature intermediate layers by RF-MBE"J.Cryst.Growth. 237-239. 1017-1021 (2002)
-
[Publications] T.Yamaguchi, T.Araki, Y.Saito, K.Kano, H.Kanazawa, N.Teraguchi, A.Suzuki 他: "Effect of sapphire substrate nitridation on determining rotation domain in GaN growth"J.Cryst.Growth. 237-239. 993-997 (2002)
-
[Publications] T.Yamaguchi, T.Araki, Y.Saito, T.Maruyama, Y.Nanishi 他: "Growth Condition Dependence of InN film a-Axis Directions on Sapphire(0001) Substrate"Inst.Phys.Conf.Ser.. 170. 765-770 (2002)
-
[Publications] 齋藤義樹, 堀正輝, 山口智広, 寺口信明, 鈴木彰, 荒木努, 名西やす之: "RF-MBE成長単結晶InN膜の光学特性"信学技報. 102. 89-92 (2002)