2004 Fiscal Year Annual Research Report
InN、GaNおよびその混晶によるヘテロ構造の作製とHFETへの応用に関する研究
Project/Area Number |
13450131
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
名西 やす之 立命館大学, 理工学部, 教授 (40268157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 秀行 立命館大学, 理工学部, 教授 (30112022)
今井 茂 立命館大学, 理工学部, 教授 (40223309)
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 講師 (20312126)
鈴木 彰 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (10111931)
播磨 弘 京都工芸繊維大学, 電子情報工学科, 教授
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Keywords | InN / InGaN / ヘテロ構造 / RF-MBE / HFET / 臨界膜厚 / InAlN / 量子井戸構造 |
Research Abstract |
最終年度に当たる本年は、InNおよび混晶の高品質化技術確立とそれらに基づくヘテロ構造作製に関して検討を行い、以下の成果を得た。 1.InN結晶の高品質化において、サファイア基板窒化条件の最適化、Nitrogen Flux Modulation成長の適用により、X線回折半値幅で54秒という、これまで報告されている中で最も狭い半値幅を有する高品質結晶作製に成功した。また厚さ3.6μmのInN結晶において、キャリア濃度2.7×10^<18>cm^<-3>、移動度1300cm^2/V・sという電気的特性の改善を得た。 2.InGaN混晶の高品質化において、上記検討結果をもとに作製された高品質InNをテンプレートとして用いることにより、その上に成長するInGaN混晶の結晶性、表面平坦性を大幅に改善できることを示した。またヘテロ構造を作製する上で重要な歪緩和臨界膜厚について計算を行い、InN上に成長したInGaNの臨界膜厚は、People & Beanモデルによく適合することを明らかにした。 3.InGaN/InN系HFET構造において必要不可欠なIII族極性InGaN/InNヘテロ構造作製に関する検討を行い、低温GaNバッファ層を用いることで、III族極性を有するInGaN/InNヘテロ構造の作製が可能なことを明らかにした。 4.InN系ヘテロ構造の適用領域拡張を目指し、InNとAlNとの混晶であるInAlN結晶成長に関する検討を行った。成長温度の最適化を行うことにより、In組成0.5〜1の高In組成領域において、相分離のないInAlN結晶を成長することに成功した。 5.InN系ヘテロ構造応用について、InN/InGaN量子井戸構造作製に関する検討を行い、高品質InNテンプレート上に成長したInGaNをバリア層として用いることで、InN/InGaN多重および単一量子井戸構造の作製に世界で初めて成功した。 6.以上のように、InNの高品質結晶成長、InGaNおよびInAlNの混晶制御と高品質化、良好なInN/InGaNヘテロ構造の形成など、HFET作成のための重要要素技術について検討を行い、国際的に高く評価される成果を得ることが出来、初期目的を達成することが出来た。
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Research Products
(6 results)