2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 利器 京都大学, 防災研究所, 助手 (60301248)
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
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Keywords | 地震動 / 非定常性 / 位相のモデル化 / 群遅延時間 / ウェーブレット解析 / シュミレーション / 震源近傍特性 |
Research Abstract |
本研究は地震動の位相特性の合理的なモデル化手法を確立することを目的とする。さらに、モデル化された非定常位相特性性の情報を用いて非定常な時系列のシュミレーションを可能にする方法論を開発することを第二の目的とする地震動の位相特性をモデル化することは、地震動の非定常特性をモデル化することと同等である。したがって、時間-周波数領域における分解能の定義が明確なウェイブレット変換を用いて、地震動の非定常位相特性を抽出した上で、位相の周波数に関する微分で定義される群遅延時間の非定常性をモデル化する。14年度に得られた成果は以下のようである。 (1)サンプル群遅延時間が与えられると、それを円振動数に関して積分することにより、位相スペクトルが求められるので、位相スペクトルからウエーブレット係数を決定するためのアルゴリズムを開発した。 (2)ウエーブレット逆変換のアルゴリズムを用いて、ウエーブレット係数が与えられた時に地震動波形をシミュレートするためのアルゴリズムを完成させた。 (3)群遅延時間の確率分布特性が正規分布で表現できるかどうかについての検討を行ない、正規分布で精度よくモデル化できることを明らかにした。 (4)群遅延時間の確率分布特性が正規分布でない場合にも、サンプル群遅延時間をシミュレートするための方法論を確立するとともに、ウェーブレット解析を用いてサンプル地震波形をシミュレートする方法論を確立した。 (5)1999年台湾集集地震と1999年米国ショシュアツリー地震の観測記録を用いて、4)で開発された方法論の有効性を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tadanobu Sato, Yoshitaka Murono: "Simulation of Earthquake Motions Based on Phase Information"Proceedings of the 3rd International Workshop on Performance-Based Design and Retrofit of Transportation. 79-87 (2002)
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[Publications] 佐藤忠信, 室野剛隆, 川西智浩: "位相特性に着目した観測地震動の内挿-集集地震(1999)の観測記録を用いて-"土木学会論文集. Vol.717,No.I-61. 225-234 (2002)
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[Publications] Tadanobu Sato, Yoshitaka Murono: "Simulation of Earthquake Motions Based on Phase Information"12th European Conference on earthquake Engineering CD-R0M4872. (2002)
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[Publications] Y.Murono, T.Sato, M.Murakami: "Modeling of Phase Spectra for Near-Fault Earthquake Motions"12th European Conference on earthquake Engineering CD-ROM279. (2002)
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[Publications] 佐藤忠信, 文龍, 渦岡良介: "砂の榴弾塑性構成式による液状化・流動過程の統一的解析,土木学会論文集"土木学会論文集. Vol.717,No.I-61. 9-25 (2002)
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[Publications] 佐藤忠信, 文龍, 渦岡良介: "傾斜地盤の液状化・流動過程シュミレーション"土木学会論文集. Vol.III-61,No.722. 109-119 (2002)