2002 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素地中隔離技術における長期安定性予測手法の研究
Project/Area Number |
13450414
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 光三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60322038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 好宣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40010988)
藤田 和男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40272398)
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Keywords | 二酸化炭素問題 / 地球温暖化 / 地中隔離 |
Research Abstract |
CO2地中隔離の実用を考えた場合、帯水層に圧入したCO2が長期的(数百年のオーダー)に安定して隔離され得るか、また、これが否の場合、どの程度の速度で逸散するかを予測する手法は未だ確立されていない。このような観点から、CO2の多様な性状の地層水に対する拡散・分散効果に関する実験・分析と成分物性を反映させた多成分型シミュレータによる流動予測が不可欠と考え、今年度は以下の研究項目を実施した。 1.地層水内分散に関する室内実験 拡散による特定分子の広がり現象を把握する目的で、多孔質媒体内のNaClの拡散実験装置を作成し、ガラスビーズ、ベレア砂岩、炭酸塩岩サンプルを用いた実験を行った。分散の強さを表す分散係数と流速の間の線形関係を確認し、また炭酸塩岩については、孔隙レベルの不均質性のために移流分散式の適用が困難であることを見出した。 2.孔隙レベルの不均質性を加味した数理モデルの開発 孔隙レベルの不均質性に起因する淀みを考慮するために、Coats-Smithモデルを数値モデルとして開発した。その際、打切り誤差に起因する数値分散を陽的に分散係数に反映させる手法を考案した。開発したモデルのより、炭酸塩岩を用いた実験結果を再現できることを確認した。 3.二酸化炭素-水系の置換現象に関する各種物性敏感度解析 二酸化炭素地中隔離において、二酸化炭素による地層水置換に各種物性が及ぼす影響度を数値モデルを用いて調査した。影響度の大きなものとして相対浸透率と高浸透率層の存在が挙げられ、今後の研究対象としてその重要性を確認した。
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