2002 Fiscal Year Annual Research Report
穀粒調製加工技術開発における離散要素シミュレーションの有効利用法の検討
Project/Area Number |
13460112
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
坂口 栄一郎 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (00147480)
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Keywords | 米 / 揺動選別 / 技術開発 / シミュレーション / 離散要素法 / 楕円要素 / 選別条件 |
Research Abstract |
1.揺動条件調整可能な実験用揺動選別装置と実験方法 片振幅2〜4cm,周波数2.75〜5Hz,振動方向角30〜60°に調整可能な揺動選別装置を製作した.選別容器と実験用選別板および選別状態の定量化等の実験方法と解析方法は平成13年度と同様である. 2.揺動条件が選別状態に及ぼす影響 振動強度を1.2〜2まで5段階に変化させて選別状態に与える影響について検討した.振動強度が1.48以下のとき、実験とシミュレーション結果は比較的良い一致を示した。振動強度が1.75以上のとき、シミュレーション結果は粒子の分散が顕著になり、実験結果と異なった。振動方向角を30,40,50,60に変化させた.50°以下での振動方向角と籾および玄米回収率の関係は,実験とシミュレーション結果にて定性的にも定量的にも良い一致が得られた.60°で観測された米粒層全体の選別板上流方向へのせり上がり状態はシミュレーションでは再現できなかった. 3.選別板窪み深さが選別状態に及ぼす影響 分離角15,18,20,22,25°それぞれに対して,窪み深さを0.9,1.6,2.mmに変化させた.分離角と窪み深さによる籾と玄米の回収率の変化は,実験とシミュレーションで定性的によく一致した. 4.供給量が選別状態に及ぼす影響 供給量7種類それぞれに対して窪み深さを0.9,1.6,2.mmに変化させた.実験では供給量によって籾と玄米の回収率は変動し,その傾向はどの窪み深さにおいても同様であった.シミュレーションではその変動は再現できなかった. 5.籾と玄米の揺動選別技術の開発において,楕円要素を用いた離散要素シミュレーションは,最適な揺動条件と分離角および選別板窪み深さの検討に関しては有効な情報を提供できる可能性が示された.
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