2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属肺における循環系白血球の活性化に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
13470080
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
日下 幸則 福井大学, 医学部, 教授 (70135680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一博 福井大学, 医学部, 助教授 (40262620)
菅沼 成文 福井大学, 医学部, 講師 (50313747)
森 富男 福井県衛生環境研究センター, 生活科学部, 主任研究員
村岡 道夫 福井県衛生環境研究センター, 生活科学部, 総括研究員
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Keywords | 超微細金属粒子 / ヒト白血球 / サイトカイン / ニッケル / コバルト / 鉄 |
Research Abstract |
16年度も、15年度に引き続き、鉄、コバルトおよびニッケルの超微細粒子が人の単球等の血球に作用して血管等に炎症性の作用を及ぼす可能性を検証するため、in-vitroの実験を行った。 ヒト全血から単球を多く含む層と好中球を多く含む層とを分離し、それぞれの血球に金属の超微細粒子を濃度0(コントロール)、20および80μg/mlになるよう添加し、14時間後に培養上澄を採取して、ELISA法により血球から放出されたサイトカイン(IL-4、IL-5、IL-6)を測定した。その結果、IL-4は、単核球層と好中球層のいずれにおいても放出されなかった。IL-5は、単核球層、好中球層ともに、いづれの金属に対してもほとんど放出されなかった。IL-6は、単核球層ではコントロールでも超微細金属粒子を加えた場合と同様に多量に放出されていた。一方、好中球層では、ニッケルのみ単核球層の半分のレベルのIL-6を放出していた。 以上の結果は、環境大気中に浮遊するニッケル等の超微細粒子が呼気から肺胞を通過して血液中に侵入した場合、炎症に関連したサイトカインの産生が誘導されることを、これまでのTNF-α、IL-1β、IL-8およびIL-10に関する実験データを補強して、強く示唆するものである。 また、肺腹腔内においても、この白血球は存在していて、特に、先行した炎症(タバコによる気管支炎はその好例)があって、リンパ球、好中球が存在している場合、十分に起こりえる。
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Research Products
(4 results)