2001 Fiscal Year Annual Research Report
経皮的がんワクチン法のヒトがん治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
13470170
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
瀧川 雅浩 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80115873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 尚宏 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50283354)
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Keywords | がん免疫治療 / がんワクチン / 経皮免疫 / 急性角質層破壊 / ランゲルハンス細胞 / CTL |
Research Abstract |
我々はこれまでに表皮樹状細胞であるランゲルハンス細胞(LC)に注目し、それを皮膚常在のまま利用する安全で簡便ながん免疫治療法をマウスメラノーマ細胞ばかりでなく、種々の実験がん細胞を用い研究してきて、テープストリッピングなどにより急性に角質層破壊した皮膚では種々の物質の透過性が高まるのみならず、LCが活性化し細胞障害性T細胞(CTL)への強いプライミング能を獲得すること、またその皮膚へ腫瘍抗原ペプチドを塗布すれば、生体内で特異的CTL活性を増強できることを証明した。そこで本年度研究ではこれまでにマウス実験系で判明した事実が、ヒトに応用可能であるか検討した。その結果、1)瞬間接着剤の接着力を利用し角質層破壊したヒト皮膚の表皮LCはCD40, CD80, CD86分子の発現ばかりでなくHLAクラスI, II分子の発現をも増強させていること、2)角質層破壊ボランティア皮膚を用いたin vitro CTL感作実験では、角質層を破壊していないボランティア皮膚を用いた場合の5倍近く感作効率が上昇すること、3)メラノーマ抗原ペプチドは自己抗原と交差反応性があるため、危険度の低いHIVgagペプチドを角質層破壊したボランティア皮膚へ塗布した時、2週間間隔で5回抗原塗布を行えば、末梢血中にHIVgag特異的CTLがフローサイトメトリーで検出できるくらい増幅すること、が判明した。以上より本年度研究ではがん抗原ペプチドを用いた研究には今だ至っていないが、ここで得られた成果はヒトにおける経皮的な免疫法の有用性を強く示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naohiro Seo et al.: "IL-10 expressed at early tumour sites induces …"Immunology. 103. 449-457 (2001)
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[Publications] Masahiro Takigawa et al.: "Percritaneous peptide immunization …"Ann. NY Acad. Sci.. 941. 139-146 (2001)
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[Publications] Yoshiki Tokura et al.: "Photoactivational cytokine - skewing action …"Ann. NY Acad. Sci.. 941. 185-193 (2001)
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[Publications] Naohiro Seo et al.: "Mechanisms of privilege for tumors …"Sem. Cancer Biol.. (In press). (2002)
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[Publications] Naohiro Seo et al.: "Epidermal Langerhans cells-based …"Hem. Oncol. Clin. North Am.. (In press). (2002)
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[Publications] Yoshiki Tokura et al.: "Hypersensifivity to mosquito bites on the …"J. Am. Acad. Dermatol.. 45. 569-578 (2001)