2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病における飽食因子レプチンの抗炎症作用に関する分子機構
Project/Area Number |
13470386
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花澤 重正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60060258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 進 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (00150467)
下川 修 九州大学, 大学院・歯学研究院, 講師 (40136502)
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Keywords | 歯周病 / レプチン / NF-kB / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
本年度の研究において、私共は炎症性サイトカイン介在性の炎症反応に深く関与することが知られている転写因子NF-kBの転写機能に関するレプチンの抑制作用について追究することを目標にした。この点について研究を行ったところ、以下に示すような知見を得ることができた。 1.Cyclooxygenase-2遺伝子発現はNF-kBに強く依存することから、マウスマクロファージ細胞であるJ774を用い、LPS誘導性cyclooxygenase-2発現に及ぼすレプチンの作用を調べたところ、レプチンはその遺伝子発現を前処理時間依存的に抑制し、その抑制作用は用量依存的であった。さらに、その遺伝子産物であるprostaglandin E2産生も抑制した。 2.次に、レプチンが実際に核内NF-kBを抑制しているかをgel shift mobility assayを用いて調べた。その結果、レプチンはLPS誘導性NF-kBのコンセンサス配列への結合を抑制した。 3.このNF-kBのコンセンサス配列結合蛋白質が事実その構成蛋白質であるP65/50であることを確かめるため、各特異抗体を用い、Western blot assayより調べたところ、レプチンは予想したようにこれら二つの蛋白質を明らかに抑制していた。 4.以上の結果はレプチンがLPS誘導性NF-kBの転写活性に対し抑制することの可能性を強く示唆した。従い、この点をLuciferase assayより調べた。その結果、期待したようにレプチンはそのNF-kB転写活性を抑制した。 以上、本年度は本研究の中心課題であるレプチンの抗炎症作用の一端を明らかにする目的で炎症反応に深く係わるNF-kBの機能に対するレプチンの抑制作用を中心に研究を進め、レプチンがLPS誘導性NF-kB転写活性を著明に抑制することの知見を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ozaki K, Hanazawa S.: "Porphyromonas gingivalis fimbriae inhibit caspase-3-mediated apoptosis of monocytic THP-1 cells under growth factor deprivation via extracellular signal-regulated kinase-dependent expression of p21 Cip/WAF1"Infection and Immunity. 69(8). 4944-5000 (2001)
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[Publications] Murakami Y., Hanazawa S.et al.: "A possible mechanism of maxillofacial abscess formation : involvement of Porphyromonas endodontalis lipopolysaccharide via the expression of inflammatory cytokines"Oral Microbiology and Immunology. 16(6). 321-325 (2001)
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[Publications] 大森善弘, 花澤重正(分担): "ペリオドンタル メデシン"医歯薬出版. 311 (2001)