2002 Fiscal Year Annual Research Report
唾液分泌不全の糖尿病による発症機序とゲノム治療薬の開発
Project/Area Number |
13470393
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袁 振芳 徳島大学, 歯学部, 助手 (80346600)
飯田 博一 徳島大学, 歯学部, 助手 (10335797)
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Keywords | 水チャネル / アクアポリン / 唾液腺 / 糖尿病 / 口腔乾燥症 / M3-ムスカリン受容体 / SNI-2011 / 細胞分画 |
Research Abstract |
ウィスター系雄性ラットにStreptozotocin(45mg/kg i.v.)を投与して4週間後に実験に供した。耳下腺切片をSNI-2011(キヌクリジン誘導体)と10分間反応させた後、そのホモジネートより2000g,4000g,17,000g,400,000g, Final Sup.を細胞分画し、また、管腔膜と基底側膜はMol. Pharmacol.,61:1423,2002に準じて調製した。 糖尿病ラット耳下腺のTrizol抽出液中のAQP5 mRNAは、対照群に比し有意に上昇していたにも拘わらず、耳下腺ホモジネートをSDS-PAGEに供し抗AQP5抗体を用いてWestern blottingしたところ、糖尿病群において対照群に比し低下傾向が認められた。 一方、耳下腺切片を10^<-5>M SNI-2011と反応させた後の管腔膜におけるAQP5量は対照群では約3倍の上昇が認められたが、糖尿病群ではほとんど上昇が認められなかった。 [^3H]QNBによる結合実験および抗M3ムスカリン受容体抗体を用いたWestern blottingにより基底側膜における受容体数は糖尿病群において対照群より約40%減少していた。 糖尿病ラット耳下腺では対照群とは異なって基底側膜でもAQP5が認められた。また、4000g画分にて糖尿病群、対照群ともにAQP5が顕著に認められ、特に、SNI-2011で刺激後、糖尿病群で増加していた。 以上のことから、M3-受容体刺激によって誘導される耳下腺管腔膜でのAQP5の増量は、糖尿病ラットでは対照群に比し有意に低下し、これは、糖尿病により細胞内より管腔膜へAQP5が移動しないためであり、これが糖尿病による口腔乾燥症を発症させているものと推察された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuko Ishikawa: "The musucarinic acetylcholine receptor-stimulated increase in aluaporin-5 levels in the apical plasma membrane in rat parotid acinar cells is coupled with activation…"Molecular Pharmacology. 61・6. 1423-1434 (2002)
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[Publications] Yasuko Ishikawa: "Activation of endogenous nitric oxide synthase coupled with metacholine-induced Exocytosis in rat parotid acinar cells"The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 301・1. 355-363 (2002)
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[Publications] Zhenfang Yuan: "Effect of SNI-2011 on amylase secretion from parotid tissue in rats and in neuronal nitric oxide synthase knockout mice"European Journal of Pharmacology. 464・2-3. 197-206 (2003)