2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470401
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅谷 勉 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10211301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50217618)
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
野口 裕史 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00312372)
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Keywords | 4-META / MMA-TBB レジン / 逆根管充填 / root-end seal / 色素漏洩 / 接着強さ / 接着耐久性 / アマルガム / 強化型ユージノールセメント |
Research Abstract |
接着性レジンで逆根管充填(root-end-sealant)を行う場合、象牙質とセメント質に接着することが必要だが、4-META/MMA-TBB、レジンは両者に同程度の接着力があることが前年度に明らかにされた。そこで本年度は、まずレジンと象牙質、セメント質との接着力の経時的変化を検討した。牛歯の象牙質、セメント質に4-META/MMA-TBBレジンを接着、水中に保存して1日、1、3ヶ月後に引っ張り試験と色素漏洩試験を行った。引っ張り試験の結果、象牙質で1日後30.8、1ヵ月後17.1、3ヵ月後17.7MPa、セメント質ではそれぞれ32.9、29.1、19.4MPaだった。色素漏洩試験では象牙質で1日後5.6、1ヵ月後4.8、3ヵ月後12.6%、セメント質でそれぞれ5.7、11.0、16.4%だった。以上により象牙質もセメント質も接着力が経時的に低下することが明らかとなった。次に根管内が汚染されている場合、逆根管充填を行うことで起炎物質が根尖周囲への漏洩を阻止できるかを明らかにするため、根管から外部への色素漏洩を検討した。ヒト抜去歯の根尖部を切除、切除面を4-META/MMA-TBBレジンで被覆した。また、逆根管充填窩洞を形成し強化型ユージノールセメントまたはアマルガムを充填した。それぞれ根管内にメチレンブルー8μlを入れ、根尖部を除きバーニッシュして水中に浸漬した。水中への色素漏洩量を経時的に定量した結果、4-META/MMA-TBBレジンでは14週間漏洩は認められなかったが、アマルガムでは2週後に2μl、14週後に6.5μlが漏洩、強化型ユージノールセメントはそれぞれ、0.5、0.8μlが漏洩した。したがって、4-META/MMA-TBBレジンは象牙質、セメント質への接着力は経時的に低下するが、根管内の起炎物質が外部に漏洩することは阻止できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 菅谷 勉, 野口裕史, 長谷川有紀子, 田中裕子, 川浪雅光: "歯根端切除時に4-META/MMA-TBB レジンをroot-end sealantとして用いた場合の臨床成績"日本歯科保存学雑誌. 45・1. 62-67 (2002)