2003 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植医療における看護職の役割・機能に関する研究
Project/Area Number |
13470528
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
志自岐 康子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 教授 (60259140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 とわ子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 助教授 (60322351)
杉本 正子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 教授 (80226464)
川村 佐和子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 教授 (30186142)
實取 直子 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 助手 (30347281)
習田 明裕 東京都立保健科学大学, 保健科学部・看護学科, 助手 (60315760)
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Keywords | 臓器移植 / 生態部分肝移植 / 看護職 / ドナー / レシピエント / 移植コーディネーター / QOL / 家族 |
Research Abstract |
今年度は、次の2つの目的のもとに研究を行った。 【目的1】生体肝移植のレシピエント及びドナーをケアしている看護職がどのような看護を提供し、どのような困難を抱えているのかを明らかにする: 3つの施設に勤務する看護職24人(看護スタッフ12人、看護管理者5人、移植コーディネーター5人)に対して面接を行った結果、「看護師が提供している看護」は1)ドナーの心のケア、2)術後の家族間関係の調整、3)レシピエントのセルフケア能力向上、4)経済的問題への支援、5)移植コーディネーターとの連携というカテゴリーに分類された。「看護師がかかえている困難」は、1)移植医療への抵抗感、2)ドナーの負担とレシピエントの利益、3)経済的理由による薬の自己中止、4)移植に至るまでの経過による術後の受け入れ方の違い、5)生活の質と救命、6)継続看護の必要性、7)移植医療全体を踏まえた上での自己決定への支援、8)移植コーディネーターとの連携、というカテゴリーに分類された。 【目的2】成人間の生体肝移植に焦点をあて、レシピエントとドナーがどのような苦悩や葛藤を抱えているかを明らかにする: 国内の3つの大学病院のレシピエント11人及びドナー7人に対して半構成式面接を行った結果、レシピエントは、<身体の不確かさ>、<自己存在の価値のゆらぎ>、<移植を受けて喪失したもの>といった苦悩や葛藤を抱えていることが明らかになり、自己決定を支援するシステムの確立、移植後も継続的に支援していくことの必要性が示唆された。ドナーは、<臓器提供への不安>、<術後の身体的苦痛>、及び<家族の生活を支える責任>といった身体的心理社会的に過重な負担が明らかになり、ともすれば、健康体であるという理由で見過ごされがちなドナーに対してケアしていくことの重要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 志自岐康子, 他: "生体肝移植医療における看護職の役割・機能に関する研究"第23回日本看護科学学会学術集会講演集. No.23. 363-363 (2003)
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[Publications] 習田 明裕, 志自岐康子, 他: "生体肝移植を受けたレシピエントの不安に関する研究"第11回東京保健科学大学学術集会抄録集. No.11. 8-8 (2004)