2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
衣笠 隆 筑波大学, 体育科学系, 教授 (40110481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
芳賀 脩光 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80093102)
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Keywords | 高齢者 / 体力 / 健康 / 無作為化比較試験 / 老研式活動能力指標 / エアロビクス / 筋力づくり運動 / 運動介入 |
Research Abstract |
1.目的 高齢者の身体機能は広範囲にわたり、身体的に、依存、虚弱、自立、適性、優秀に分類される(Spirduso l995)。身体的自立の高齢者は体力、健康水準が低いために自立生活が維持できる限界である。今回は身体的自立の高齢者を対象に運動介入を行い、体力、健康に及ぼす影響を検討することを目的として無作為化比較試験を実施した。 2.方法 被検者は、昨年医学健診を完了した70歳以上の中から、老研式活動能力指標満点を示した者、80歳以上の者、高血圧症状を有している者を除き、研究参加に同意した38名であった。運動群と対照群は年齢、性、5m最大歩行速度の成績をもとに無作為に分類した。運動群(19名)は1回につき90分、週2回、6ヶ月間の運動を行った。運動は主にエアロビクス、筋力づくり運動を実施した。対照群(19名)は月に1回主にストレッチング運動を行った。両群とも運動開始時、3ヶ月後、6ヶ月後に体力テストと質問紙調査を実施した。体力テストの項目は握力、膝伸展力、足底屈力、長座体前屈、手伸ばし、5m通常・最大歩行速度、400m歩行時間であった。質問紙は健康度自己評価、老研式活動能力指標、生活満足度、抑うつ、身体活動度などについて調査した。 3.結果 運動開始時、3ヶ月後の場合は、ともに体力テストや質問紙すべての項目において運動群、対照群間で相違がみられなかった。しかし、運動開始6ヶ月後の400m歩行時間において運動群(343秒→307秒)は対照群(322秒→312秒)に比べて有意に短縮し、健康度自己評価も運動群(2.78点→3.00点)は対照群(2.94点→2.88点)より向上した。その他の成績には両群間の相違はみられなかった。 4.結論 身体的に自立した高齢者に対する6ヶ月間の運動介入は400m歩行時間と健康度自己評価に有意な効果をもたらした。従って、身体的自立高齢者に対する運動の介入は有酸素能力や主観的健康観の改善に有効であると示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kinugasa, T.: "Effects of community-based exercise program on physical fitness and mental health of older women"Medicine and Science in Sports and Exercise. 34(5). S76 (2002)
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[Publications] Han I: "Effect of leg muscular strength and walking ability on health promotion exercise in elderly women"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8(4). 177 (2002)
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[Publications] Kinugasa T: "Effects of a community-based exercise program on the physical function and daily functional capacity of older persons of varying fitness levels"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8(4). 204 (2002)