2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
衣笠 隆 筑波大学, 体育科学系, 教授 (40110481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
芳賀 脩光 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80093102)
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Keywords | 高齢者 / 体力 / 筋力づくり運動 / 運動介入 / 歩行 / 等速性筋力 / 歩幅 / 歩行率 |
Research Abstract |
[目的]超高齢社会を迎えたわが国の高齢者は、生きがいを持って自立生活を営むことが求められている。このために、身体活動を活発に行うなど体力を高く維持する必要がある。昨年度は有酸素運動による介入を行ったので、今年度は筋力づくり運動による介入を実施した。すなわち、本年度は高齢者に筋力づくり運動による介入を実施することにより、筋力の改善だけではなく、歩行に及ぼす影響を明らかにした。 [方法]被験者は「筋力づくり教室」参加の呼びかけに応じた男性高齢者11名であった。「筋力づくり教室」では週2回の割合で、14週間実施した。筋力づくり運動はアイソキネティックマシーン(ミズノ社製)を用いて、ニーエクステンション・フレクション、AB/ADヒップ、ハイドラステップ、シーテッドロングロウ、ディップ/シュラッグ、バックアブドミナルの6種類を1セット10〜15回、2〜3セット行った。教室の前後に形態、筋力、歩行、柔軟性、バランスから構成した体力テストを行った。筋力テストではマシーン(BIODEX社製)を用いて肘屈曲・伸展時と膝屈曲・伸展時の等速性筋力をいずれも毎秒60度、180度の角速度を用い、ピークトルクを測定した。歩行テストでは最大速度歩行を行ない、速度、歩幅、歩行率を測定した。 [結果]測定されたすべてのピークトルクは介入前に比べて介入後に有意に増加した。最大の増加は肘伸展毎秒180度であり、34.8%の増加がみられ、最小の増加は膝伸展毎秒60度で、9.9%の増加であった。最大歩行速度は介入前で2.64m/sec、介入後に3.00m/secであり、有意に増加した(t=3.63P<0.01)。介入前後の歩幅と歩行率の変化をみると、歩幅は介入前に0.97m、介入後に1.02mと有意に増加した(t=2.29,P<0.05)。歩行率は介入前に181.0 steps/min、介入後に213.5 steps/minとなり、有意に増加した(t=2.97,P<0.05)。よって、増加した最大歩行速度は歩幅と歩行率の両者によるものであることが示唆された。 [結論]以上の結果より、14週間の筋力づくり運動は高齢者の筋力だけではなく、歩行速度を決定する歩幅と歩行率をともに改善させることが示唆された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Haga S他: "Cardiac output and stroke volume at anaerobic threshold during walking exercise in healthy aged subjects"Advances in Exercise and Sports Physiology. 91(1). 37-43 (2003)
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[Publications] Sugiura M他: "Factorial invariance of the physical performance measures in longitudinal study of aging : A simultaneous analysis approach"Geriatrics and Gerontology International. 3. S40-S49 (2003)
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[Publications] Kinugasa T他: "Improvement in Physical fitness and functional capacity of older persons after exercise programs"Medicine and Science in Sports and Exercise. 35(5). S172 (2003)
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[Publications] Kinugasa T他: "Effects of Exercise Intervention on Physical Fitness and Health for Physically Independent Elderly : A Randomized Controlled Trial"Advances in Exercise and Sports Physiology. 9(4). 194 (2003)
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[Publications] Esaki K他: "Effects on muscle oxygenation of exercise program in older persons"Advances in Exercise and Sports Physiology. 9(4). 171 (2003)
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[Publications] Sasahara M他: "Changes in the activity-level of the cerebral cortex-the function of concentration maintenance (TAF) and influence of the exercise in the elderly"Advances in Exercise and Sports Physiology. 9(4). 203 (2003)
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[Publications] Hirokawa M他: "Effect on blood adipose tissue and MDA-LDL with combined exercise training in middle-aged and older persons"Advances in Exercise and Sports Physiology. 9(4). 199 (2003)
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[Publications] 笹原美智子他: "高齢者の大脳皮質活動水準-集中維持機能(TAF)の変容と運動の影響:青年および高齢者にみる集中維持機能の比較検討"体力科学. 52(6). 966 (2003)
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[Publications] 衣笠隆他: "地域在住高齢者に対するMotor Fitness Scaleの予知妥当性"日本公衆衛生雑誌. 50(10). 323 (2003)