2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480024
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
牛田 智 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40176657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)
木村 光雄 神戸女子大学, 大学院・家政学研究科, 教授 (40020177)
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
土井 千鶴子 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (60083052)
齋藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20104086)
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Keywords | 天然染料 / 藍 / インジルビン / 媒染剤 / 堅牢度 / コチニール / 紅花 / 抗菌性 |
Research Abstract |
自然からの色を身につけたいということから、天然染料への関心が高まっている。しかしながら、天然染料およびその染色物には多くの短所があるので、それらを補うとともに、抗菌性などの新たな付加価値を見出すべく昨年度に引き続き研究を行った。 1.染色方法の工夫による色数の拡大につながる、タデアイの生葉染めによる多色染めにおいて、インジルビンが多く生成し、紫色に染色できる種々の条件を明らかにした。また、飛鳥・奈良時代の茜染・紫染めの重ね媒染による再現を試みるとともに、刈安への適用を研究した。その結果濃色効果が得られるとともに、耐光堅牢度の上昇も見られた。 2.変退色の要因を解明し堅牢性を高める方法の開発をめざし、コチニールで染色し金属媒染した羊毛布について、洗濯による変退色を調べ、その程度は媒染剤の有無・種類と洗剤によって異なること、界面活性剤よりも金属イオン封鎖剤の影響が大きいことがわかった。また、耐光性の改善をめざし、紅花色素のカルタミンについて媒染効果を検討したところ、鉄媒染と銅媒染で耐光性が向上することがわかった。さらに、暗所下の変退色に対する環境要因、温湿度と酸素の影響も検討し、媒染に退色抑制効果が確認された。耐光性については、銅クロロフィリンや、ラック、スオウ、エンジュ、アセンヤクなどの天然染料から作った天然レーキ顔料についても調べた。 3.主な市販植物染料18種についての抗菌性を調べたところ、10種に抗菌性が認められた。さらに媒染した場合の抗菌性も検討した。また、抗菌性に関する検討は銅クロロフィリンに対しても行い、大きな抗菌性があることを確認した。ただし、マイクロカプセルに封入すると抗菌性は無効となった。
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