2001 Fiscal Year Annual Research Report
ポストヒトゲノム社会における科学教育のあり方に関する基礎研究
Project/Area Number |
13480035
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 篤 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (20223133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 靖人 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40251657)
榎本 平 神戸大学, 発達科学部, 教授 (00127622)
尼川 大作 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70031359)
田畑 暁生 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (20283848)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70176387)
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Keywords | ポストヒトゲノム社会 / 遺伝子工学 / STS教育 / 生命倫理教育 / 遺伝子情報 / DNA実験 |
Research Abstract |
本研究は遺伝子工学の成果を子どもたちが学んでいく際の科学教育のあり方を、その学習課程と指導者養成プログラムに焦点をあてて検討するという目的をもつ。この場合の科学教育の内容には、「遺伝子工学の知見をいかに子どもたちに伝えるか」という課題と、STS教育に代表されるように「遺伝子工学の技術と人間社会との関連を子どもたちにどう理解させるのか」という課題とが含まれる。今年度は主にこれらの課題にアプローチした。 前者に関しては、尼川らが日本の高校の教科書においてゲノムがどう取り扱われているかを調査し、榎本・江原らはゲノムをわかりやすく理解させるための教育用実験カリキュラムを開発すべく、原始間力顕微鏡を利用した画像データを純度の高いDNAサンプルを用いることで鮮明なものにするところまで至った。後者については、田畑らが「ヒトゲノムの解読とその社会的影響」に関する一般的な意識をとらえるための調査を準備し、伊藤らは外部講師による講演、海外の大学への聞き取り調査、収集された文献等を通して、遺伝子工学の可能性と生命倫理教育のあり方との関係について、現状と今後の方向性の検討を行った。 なお、両者をつなぐための実践的研究として、稲垣らが、次年度から本格実施する予定の授業実践プログラム(総合学習の時間における遺伝子関連の授業を協調学習という形態で実施する)の準備を行なっている。指導者養成プログラムに関しては、学習者である子どもの学習内容および学習課程を明らかにしながら、その内容および方法を検討していく予定である。
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