2001 Fiscal Year Annual Research Report
縦断的観察による生徒の身体不調の変化要因に関する検討
Project/Area Number |
13480060
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
古田 真司 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90211531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50024021)
福田 博美 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90299644)
堀田 法子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教授 (90249342)
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Keywords | 縦断的観察 / 小学生 / 日常生活習慣 / 朝食 / きれる / 肥満指導 / 年齢別身長別体重 / パターン化 |
Research Abstract |
愛知県内の2つの小学校に在籍する6年生245名を対象として、日常生活調査(運動習慣、食習慣を含む)と、自感情を抑制できないイライラ状態を示すと思われる5項目の質問紙調査を実施した。イライラ状態を示す項目は、該当数の合計を「きれやすさ指数」とした。その平均値は男女に有意な差が見られ、男子1.841(±1.702標準偏差)に対して、女子は2.538(±1.714標準偏差)と高い値を示した。児童の日常生活習慣と「きれやすさ指数」の関連では、男子では、起床時刻が早い群、テレビゲームを毎日する群の指数が高かった。睡眠時間は8時間未満の群の指数が高く、自由な時間がないと答えた群の指数も高かった。女子では、起床時刻やテレビゲームはあまり関連がなく、家庭学習をしない群、家の中でなく公園や道路で遊ぶと答えた群の指数がやや高かった。食生活と「きれやすさ指数」と関連を見ると、男子では、生野菜や果物をあまり食べない群や海草をあまり食べない群の指数が高い傾向が見られた。女子では果物、肉魚卵をあまり食べない群に指数が高い傾向が見られた他、油料理や芋類では毎日食べる群に指数が高い傾向か見られた。男女とも朝食をあまりとらない群の指数が毎日とる群に比べて有意に高いことが示された。また男子では、朝食の内容がごはん類よりもパンの群の方が指数は高かった。 継続的観察による肥満指導の実例を検討するため、愛知県内のD小学校に1993年と1994年に入学した児童で6年間在学した児童の身長・体重の測定記録(毎学年4月・9月・1月)を用いて、個人の6年間の縦断的資料である独自のグラフシート(身長・体重・ローレル指数・肥満度・身長増加量・体重増加量の数値及び推移のグラフが記載されたもの)を作成した。その際、肥満度を算出するための標準体重は、平成5年度文部省学校保健統計調査報告書から性別年齢別身長別の平均体重を選び出し、これを多項式近似曲線による回帰分析で修正したもの(自作)を用いた。分析は、対象児童全員の縦断的資料から6年間の肥満度の推移をすべて検討し、ほぼ4つのパターン((1)安定型、(2)急変型、(3)緩やかな上昇型、(4)緩やかな下降型)に類型化した。このパターン別に肥満指導を変える意義と効果について検討を加えた。
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[Publications] 堀田法子、, 古田真司 他: "中学生・高校生の自律神経性愁訴と生活習慣の関連について"学校保健研究. 43巻1号. 73-82 (2001)
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[Publications] 奥村陽子、, 古田真司 他: "継続的観察を生かした肥満指導についての一考察"東海学校保健. 25巻1号. 33-41 (2001)