データ分散機能を有する並列化コンパイラと実行時システムからなる統合並列処理環境

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13480085
• Research Institution: Wakayama University
• Principal Investigator: 國枝 義敏 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90153311)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 齋藤 彰一 和歌山大学, システム工学部, 助手 (70304186) ; 上原 哲太郎 和歌山大学, システム工学部, 講師 (20273485) ; 城 和喜 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90283928)
• Keywords: 並列化コンパイラ / 並列処理 / 分散共有メモリ / PCクラスタ / COMA / 分散処理 / 自動並列化 / データ分散

Research Abstract

本年度は、本並列処理システムの基盤となる分散共有メモリシステムの開発を中心に、コンパイラと分散共有メモリシステムとのインタフェースの再検討と、高速ネットワークを活用できる分散共有メモリのキャッシュ制御機構についての検討を行った。さらに、並列化コンパイラの開発では、逐次プログラム中のループの並列化に取り組み、ループ内・間における変数や配列の依存を解析するモジュールの精度向上を行った。奈良女子大のグループでは、本システム内の複数のモジュール間において、情報を交換するための統一的な中間表現の開発および拡張を行った。
分散共有メモリシステムにおいては、成果論文5と6にあるように、国内外の学会にてその実装や性能評価について発表を行った。これらの論文中で、並列化コンパイラとのインタフェースの概略や、インタフェースを並列プログラム中に埋め込む際の実行速度への影響について述べている。また、成果論文1と4にあるように、並列化コンパイラ内部における依存解析やコード生成に関する発表を行っている。成果論文として挙げてはいないが、本統合環境システムの応用として、ゲノム情報学で使用されるアプリケーションの基礎調査を行った。本件についての詳細は次年度以降の課題であるが、本年度は分散共有メモリシステムを用いた基本性能評価を国内の研究会にて発表を行った。さらに、成果論文2と3にあるように、並列化コンパイラ内部における情報交換を目的とした中間表現に関して、提案やその設計について発表している。

Research Products

• [Publications] Masaaki MINEO, Tetsutaro UEHARA, Shoichi SAITO, Yoshitoshi KUNIEDA: "Integer Solution Search for Data Dependence Analysis on Array References"Proc.of Int. Conf. on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications(PDPTA'2001). Vol.III. 1312-1318 (2001)
• [Publications] Tomomi Yamaguchi, Hayaru Shouno, Kazuki Joe: "Design and Implementation of UIR Interface for a Parallelizing Compiler MIRAI"Proc.of Int. Conf. on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications(PDPTA'2001). Vol.III. 1200-1206 (2001)
• [Publications] 羽田昌代, 庄野逸, 城和貴: "分散共有メモリシステムを対象とした自動並列化コンパイラの中間表現の提案"情報処理学会 並列処理シンポジウムJSPP'01. 109-110 (2001)
• [Publications] 北村隆光, 峰尾昌明, 上原哲太郎, 齋藤彰一, 國枝義敏: "自動並列化コンパイラMIRAIにおける配列データ依存解析部の実現方式"情報処理学会研究会報告2001-HPC-88. Vol.2001, No.102. 1-6 (2001)
• [Publications] 横手聡, 林章人, 齋藤彰一, 上原哲太郎, 國枝義敏: "高速通信ライブラリWindを用いたソフトウェア分散共有メモリシステムFagusの性能評価"情報処理学会研究報告2001-OS-88. Vol.2001, No.78. 35-42 (2001)
• [Publications] Shoichi SAITO, Satoshi YOKOTE, Tetsutaro UEHARA, Yoshitoshi KUNIEDA: "The Implementation of a Compiler Controlled Software Distributed Shared Memory System "Fagus" as a Runtime Support System for Automatic Parallelizing Compilers"Proc. of Int. Conf. on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications(PDPTA'2001). Vol.III. 1186-1192 (2001)