2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480151
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 助教授 (80168947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留主 泰朗 茨城大学, 農学部, 助教授 (60272118)
白井 誠 茨城大学, 農学部, 教授 (10007792)
久保田 正亜 茨城大学, 農学部, 教授 (40007688)
長谷川 守文 茨城大学, 農学部, 助手 (80311588)
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Keywords | ノニルフェノール / 環境ホルモン / スフィンゴモナス属細菌 / 分解菌の動態 |
Research Abstract |
本年度は、(1)先に分離したノニルフェノール(NP)分解性スフィンゴモナス属細菌YT株の分類学的性質の検討、(2)YT株による直鎖型および分岐型NPの分解様式の解明、(3)YT株の分岐型NP分解に影響を与える培養条件の検討、(4)NP分解混合培養系の解析、(5)NP分解に関わる遺伝子のクローニングを行った。各研究項目の概略は以下の通りである : (1)最近になってNP分解活性が報告されたスフィンゴモナス・クロアカエS3株と、形質学的特徴、種々の抗生物質に対する感受性、化学分類学的性質について比較し、さらにDNA-DNAホモロジー解析を行った。その結果、YT株はS3株とは異なる新種であることが判明した。(2)ガスクロマトグラフ(GC)-質量分析(MS)装置で分析した結果では、直鎖型NP分解の場合、まずフェノール環にヒドロキシ基が付加されてからフェノール環が開裂することが推定された。分岐型NPの分解については、約20種のNPアイソマーを分離するGC条件を見いだし、NP分解過程における各NPアイソマーの消長を追った結果、直鎖型に近いNPアイソマーが選択的に分解されることが判明した。(3)培地にフェルラ酸などのフェノール性有機酸を加えた条件でYT株を培養すると、分岐型NPの分解活性が高まること、また、フェルラ酸が共存する条件ではNPの分解が著しく抑制されることが観察された。この結果より、フェノール性有機酸の分解経路とNPの分解経路には接点があることが示唆された。(4)YT株と共存して分離されたNP非分解性のWT株との2員混合培養では、迅速なNP分解にはWT株の共存が必要であることが確認された。現在、さらに詳細な解析を進めている。(5)種々の方法で、NPの分解に関わる遺伝子のクローニングを試みたが成功には至らなかった。次年度は、NP分解遺伝子のクローニングと遺伝子の解析を重点的に進める予定である。また、(1)〜(4)の結果を、土壌生態系でのNP分解菌の動態解析に展開・応用する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] De Vries YP, Takahara Y., Ikunaga Y., Ushiba Y., Hasegawa M., Kasahara Y., Shimomura H., Hayashi S., Hirai Y., Ohta H.: "Organic nutrient-dependent degradation of branched nonylphenol by Sphingomonas sp. YT isolated from a river sediment sample"Microbes and Environments. 16巻・4号. 240-249 (2001)
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[Publications] 牛場裕司, 高原義治, 太田寛行: "河川底質から分離されたノニルフェノール分解性Sphingomonas sp. YTの分類学的性質"第17回日本微生物生態学会講演要旨集. 136 (2001)
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[Publications] 生長陽子, 久留主泰朗, 笠原康裕, 太田寛行: "Sphingomonas sp. YT株の低濃度ノニルフェノールの分解性"第17回日本微生物生態学会講演要旨集. 78 (2001)