2001 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア域から北西太平洋への大気汚染物質の移動解明を目的とした大気中ラドンの動態評価
Project/Area Number |
13480165
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯田 孝夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50089843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 勝廣 島根県保健環境科学研究所, 主任研究員
小村 和久 金沢大学, 理学部, 教授 (00110601)
森泉 純 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90303677)
|
Keywords | ラドン / 大気中ラドン濃度 / 大気汚染物質 / 広域拡散 / 東アジア域 / 数値計算シミュレーション / エアロゾル / 気象解析 |
Research Abstract |
東アジア域から北西太平洋への大気汚染物質の移流・拡散や原子力事故に伴う放射性物質の広域拡散の研究は東アジア地域の環境問題の重要かつ緊急な課題である。大気中に存在する天然放射性物質のラドンは半減期が3.8日で、化学的に不活性である。ラドンの発生源は陸地表面にあるので、同じく地表面に発生源を持つ大気汚染物質の良いトレーサとなりうる。中国大陸内、韓半島、日本海、日本上空および北西太平洋上でラドン濃度を同時に連続測定し、気象解析と時間変動解析を行えば、大陸から気流に沿って北西太平洋へ大気汚染物質がどのように移流・拡散して行くかの基礎的な情報を与える。 本年度は以下の研究を実施し、成果を得た。 (1)名古屋、金沢、島根県・松江および隠岐、韓国・ソウルおよび東海でのラドン濃度連続測定を続けた。 (2)八丈島、利尻島および小笠原諸島父島へ既存のラドン濃度測定装置を設置し、連続測定を開始した。 (3)新しいラドン濃度測定器を製作して、中国・北京へ設置して連続測定を開始した。 (4)ラドン濃度や気象データ等を研究者間でお互いに交換し、解析を行った。 (5)東アジア域から北西太平洋域での大気中ラドン濃度の変動数値計算シミュレーションの結果と測データの比較を行った。濃度の変動パターンは一致するが、濃度はファクター3程度違っている。 (6)エアロゾル等の大気汚染物質データとの比較検討を行った。地上起源の粒子状炭素との変動とラドン濃緯変動はよく一致した。 (7)2002年1月に名古屋で研究経過検討会を開催した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Qiuju Guo: "The Levels of indoor Thoron and its Progeny in Four Areas in China"J. of Nuclear Science and Technology. 38・9. 799-803 (2001)
-
[Publications] W.Zhuo, T.Iida, X.Yang: "Occurrence of ^<222>Rn, ^<226>Ra, ^<228>Ra and U in Groundwater in Fujian Province, China"J. Environ. Radioactivity. 53. 111-120 (2001)
-
[Publications] S.Yamamoto, K.Tarutani, T.iida et al.: "Dvelopment of a Continuous Radon Concentration Monitoring System in Underground soil"IEEE Trans. Nucl. Sci.. 48・3. 391-394 (2001)
-
[Publications] J.Koarashi, H.Amano, M.Andoh, T.Iida, T.Koma: "A New Method for Determining ht Deposition Velocity and Dependence of the Velocity on Environmental Factors"Radiat. Prot. Dosim.. 93・3. 237-243 (2001)