2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化によるクロマチン制御機構の構造的基盤
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13480230
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
白川 昌宏 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | DNAメチル化 / クロマチン構造 / エピジェネティックス / 転写 / ヒストン メチル化 |
Research Abstract |
メチル化DNA結合たんぱく質の機能を構造学的に明らかにするために、主として2つの研究を進めた。一つはメチル化DNA結合たんぱく質MBD1のメチル化DNA結合ドメイン(MBD)とヒストンメチル化因子との相互作用解析である。MBD1 MBDはヒストンメチル化因子であるSuv39H1やHP1と相互作用することが熊本大学の中尾らによって報告されている(平成14年12月日本分子生物学会年会など)。これらの相互作用を構造学的に明らかにするために、MBD1 MBD、Suv39H1 preSETを含むフラグメント、HP1αを調整した。MBD1 MBDの^1H-^<15>N HSQCスペクトルを観察しながら、Suv39H1やHP1αを加えるタイトレーション実験を行った。しかし明確にMBD1 MBD上でのこれらの因子との結合部位を現すスペクトル変化を得ることが出来なかった。準備的なpull-downアッセイを行い、結合条件の至適化を進めつつある。またSuv39H1のフラグメントやHP1αなどが、結合実験に使った条件では安定な立体構造を持たない可能性があるため、フラグメント化における領域の検討なども行おうと考えている。 もう一つはMBD4 MBDとミスマッチDNAとの相互作用である。MBD4 MBDはメチル化CpG以外にもTpG/メチル化CpGミスマッチを持つDNAと結合しうることがエジンバラ大学のBirdらによって明らかにされている。我々の以前の構造解析によりMBD1 MBDとメチル化CpGの相互作用については構造学的知見があるが、MBD4 MBDとミスマッチDNAとの相互作用は不明である。そのため本課題に取り組んだ。現在、NMRによる相互作用解析に向けて、MBD4 MBDの安定同位体ラベル体の試料を調整しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takahashi, M., Maraboeuf, F., Sakai, Y., Yakushiji, H., Mishima, M., 他: "Role of tryptophan residues in the recognition of nutagenic oxidized nucleotides by human antimutator MTH1 protein"Journal of Molecular Biology. 319. 129-139 (2002)
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[Publications] Sakai, Y., Furuichi, M., Takahashi, M., Mishima, M., Iwai, S., 他: "A molecular basis for the selective recognition of 2-hydroxy-dATP and 8-oxo-dGTP by human MTH1"Journal of Biological Chemistry. 319. 8579-8587 (2002)
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[Publications] Kouno, T., Miura, K., Kanematsu, T., Shirakawa, M., Hirata, M., 他: "1H, 13C and 15N resonance assignments of GABARAP, GABAA receptor associated protein"Journal of Biomolecular NMR. 22. 97-98 (2002)