2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化によるクロマチン制御機構の構造的基盤
Project/Area Number |
13480230
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
白川 昌宏 横浜市立大学, 総合理学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | クロマチン / DNAメチル化 / 動的構造 / ヒストン メチル / メチル化DNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
メチル化DNA結合蛋白質MBD1のメチル化DNA結合ドメイン(MBD)について、メチル化されたDNAとの結合の動的挙動の解析を集中的に行った。以前に行った実験結果の解析から、MBDはメチル化DNAに対して180°異なる2つの方向で結合しうその方向はランダムに変わりうることを示した。これは実験に使ったメチル化DNAは2回対称軸を持つ分子であるのに対して、MBDは非対称的な単量体として結合するからである。今年度はこの動的構造の問題をより掘り下げて解析した。まず以前のデータから、MBDのDNAに対する方向を変える頻度を25℃で7s^<-1>程度と見積もっていた。その頻度の温度依存性から(これも以前のデータ)、その際の活性化自由エネルギーΔG^<++>は16.18Kcal/molと見積もった。さらに今年度行ったMBD-メチル化DNA相互作用における等温カロリメトリー実験の結果などから、結合によるエンタルピー変化量ΔHは-13.5kcal/mol、自由エネルギー変化量ΔGは-10.1kcal/mol、エントロピー変化量ΔSは-11.2kcal/mol程度であると求められた。 MBDIのMBDはSuv39H1、Hp1αなどのヒストンメチル化に関与する蛋白質と結合することが示されている。これらの複合体の構造解析に向けて、MBD1 MBDとの相互作用におけるSuv39H1、HP1αの相互作用部位の解析を行った。GSTプルダウンアッセイにより解析を行ったところ、用いた実験条件下ではMBD-Suv39H1間には有意な結合を見ることが出来なかった。一方、HP1αに対して、全長HP1α、chromo domainのみ、chromoshadow domainのみを含むものについて、全長とchromoshadow domainのみを含むものとMBD1 MBDとの結合を確認した。したがってMBD1 MBDはHP1αchromoshadow domainと結合する可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Auesukaree, C., Homma, T., Tochio, K., Shirakawa, M., Kaneko, Y., Harashima, S.: "Intracellular phosphate serves as a signal for the regulation of the PHO pathway in Saccaromyces cerevisiae"Journal of Biological Chemistry. (In press).
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[Publications] Fujiwara, K., Tenno, T., Sugasawa, K., Jee, J.-G., Ohki, I., Kojima, C., Tochio, H., Hiroaki, H., Hanaoka, F., Shirakawa, M.: "Structure of the ubiquitin-interacting motif of S5a bound to the ubiquitin-like domain of HR23B"Journal of Biological Chemistry. 279. 4760-4767 (2004)
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[Publications] Kato, Z, 他(全15名中15番目): "The structure and binding mode of interleukin-18"Nature Structural Biology. 10. 966-971 (2003)
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[Publications] Mishima, M., Takayama, S., Sasaki, K., Jee, J.G., Kojima, C., Isogai, A., Shirakawa, M.: "Structure of the male determinant factor for Brassica self-incompatibility"Journal of Biological Chemistry. 278. 36389-36395 (2003)