2001 Fiscal Year Annual Research Report
物理的刺激下における培養細胞を用いた骨再生に関する研究
Project/Area Number |
13480292
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畠 賢一郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80293710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30233729)
日比野 祥敬 名古屋大学, 医学部, 助手 (90324441)
上田 実 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00151803)
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / 伸展ストレス / 超音波 / 骨誘導 / ALP / メカノトランスダクション |
Research Abstract |
伸展ストレスおよび低出力超音波パルス(US)は骨形成能を有する細胞など、多くの細胞に対して機械的刺激として認識され、機能変化を誘導する結果を得ている。今回われわれは骨髄から採取した未分化間葉系幹細胞(MSC)を骨細胞へ分化誘導した細胞を用いて、伸展ストレスおよびUSの細胞機能におよぼす影響を検索し、人工骨作製のための物理刺激の有用性を明らかにすることを目的として実験を行った。 MSCに関して、10%の細胞進展ストレス刺激、または15mW/cm^2の強さによる超音波ストレス(US)を7日間持続的に行い、これらに対する細胞の反応性を評価した。伸展刺激およびUSを付加したものは対照群と比較してALP活性、細胞内カルシウム蓄積量、各種骨基質マーカー(オステオポンチン、オステオネクチン、type I collagen等)(Western blott)が1.5〜2倍上昇しており、骨芽細胞へ分化傾向にある細胞にとって、伸展刺激およびUSが何らかの影響により分化を促進する効果がある事が示唆された。一方MSCを骨に分化させていない群においては、物理刺激の効果がなかったことにより、物理刺激は分化過程を促進するが、その刺激自身には分化させる能力がないことが明らかとなった。 これらの研究を通じて、物理刺激がより高度な骨形成を期待しうる細胞組込型人工骨の作製を示唆し、さらに、これら作製過程において物理刺激の有用性を示唆したといえる。 来年度も引き続き詳細な検討を行う予定であり、骨分化過程に及ぼす物理刺激の影響についてメカニズムを検討していきたいと考えている。
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