2003 Fiscal Year Annual Research Report
森林の持続可能な管理とその環境保全機能に関する研究―「環日本海地域」を中心に―
Project/Area Number |
13490017
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富井 利安 広島大学, 総合科学部, 教授 (40006466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 節夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (90192905)
高原 一隆 北海学園大学, 経済学部, 教授 (90145970)
伊藤 護也 広島大学, 総合科学部, 教授 (80034594)
山崎 修嗣 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80239938)
市川 浩 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00212994)
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Keywords | 森林の減少・破壊・劣化 / 森林の持続可能性 / 森林の環境保全機能 / FSCの森林認証 / 林業による地域振興 / 民有林と国有林の連携 / 森林環境アセスメント / 北洋材の貿易取引 |
Research Abstract |
本研究の目的は、森林の持続的な管理に資する林業経営のあり方と森林が有する環境保全機能を十全に発揮させるための諸方策を社会科学の立場から総合的・実証的に明らかにすることにある。 平成15年度(最終年度)では、以下の研究を遂行した。 (1)国内の共同調査研究としては、(1)青森県下北森林管理署を訪問し、薬研渓流のヒバの保護林及び付近の森林生態系保護地域を視察した。次いで、津軽森林管理署を訪問し、世界遺産・森林生態系保護地域の白神山地のブナ林を踏査し、多くの知識を得た。(2)宮崎県綾町を訪問し、有数の照葉樹林を視察するとともに、地元の自然保護団体と交流した。さらに、宮崎県庁林務部、緑資源機構宮崎地方建設部、宮崎森林管理署を訪問し、名産飫肥スギ林業の現況、大規模林道宇目・須木線西米良・須木区間の環境保全調査の状況、一ツ葉浜リゾート開発の現状等につき調査を行った。 (2)国外調査については、中国の森林資源とその管理につき研究分担者片岡が調査研究を進めたほか、専門学者を招いて「中国陜西省における森林と植樹協力」と題する講演をして頂き、新たな知見を深めた。 (3)以上のほか、研究代表者富井は、FSC(森林管理協議会)の認証を取得した山梨県県有林、岐阜県東白川村森林組合の現地調査をするとともに、IS014001の認証を得た東京都の水源林につき聴き取り調査を行い、その研究成果を「FSC森林認証と環境の保全-国内認証取得地の検討を通じて-」と題して環境法政策学会2003年度学術大会で発表した。さらに、都市景観の保全に関し、国立市景観事件の調査研究を進めるとともに、国会に提案されている「景観法案」の立法資料等の収集を行った。
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[Publications] 富井利安: "「景観利益」判決の要点と意義"地域開発(財団法人・日本地域開発センター). 第464号. 21-25 (2003)
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[Publications] 富井利安: "意見書:景観の法的保護について"広島法学(広島大学法学会). 第27巻1号. 143-151 (2003)
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[Publications] 片岡直樹: "中国の退耕環林政策の法制度"現代法学(東京経済大学現代法学会). 第7号. 1-43 (2004)
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[Publications] 市川 浩: "'Public Nuisance in Japan,"I.I.Mazour and A.N.Chumakov, Gloval Studies Encyclopedia, (Raduga Pub., Moscow). 417-418 (2003)
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[Publications] 山崎修嗣: "環境政策と産業政策の統合-ポーター仮説と燃料電池推進政策の検討-"社会文化研究(広島大学総合科学部紀要II). 第29巻. 115-123 (2003)
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[Publications] 李 東碩: "韓国嶺南地方の環境調査報告"緑色社会(大邱慶北環境研究所発行). 第8号. 92-102 (2003)