2001 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返しパルス磁場を用いた超高精度テラヘルツESRシステムの開発
Project/Area Number |
13554011
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 岡山大学, 理学部, 教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左近 卓男 秋田大学, 工学部, 助教授 (80271964)
味野 道信 岡山大学, 理学部, 助教授 (30222326)
山嵜 比登志 岡山大学, 理学部, 教授 (40013495)
小山 佳一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70302205)
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Keywords | 繰り返しパルス磁場 / 強磁場 / サブミリ波 / テラヘルツ / ESR |
Research Abstract |
繰り返しパルス磁場を用いたテラヘルツESRシステムの開発を行った。今年度は、光源としてガンダイオード、後進行波管および遠赤外レーザーの立ち上げを行った。安定度や感度を含む性能評価のために、小型のコンデンサバンクを自作して、30テスラまでのESR実験を行い、光源の性能を評価し、十分な出力強度の安定度と出力、周波数の安定度を有していることを確認した。 繰り返しによる積算効果の実証のために、光源の安定しているガンダイオードを用いて、室温でのESR測定を行い、数百回の信号積算により、ノイズに埋もれていた微小なESR信号がS/N比の向上により観測可能になることを実証した。この結果、約1時間の連続測定で、感度は従来の30倍に向上できることが判明した。 低温での測定を可能にするために、ヘリウム3システムを作成し、性能評価を行い0.4Kまでの測定が可能であることを確認した。 繰り返し磁場の発生間隔を抜本的に向上させるために、パルス磁石の小型化に取り組み、従来に比べて必要なエネルギーと発熱を10%以下に抑えられることを実証した。これにより、従来は不可能であった、ロングパルスの繰り返し磁場が可能になり、短パルスであれば、能動素子を用いたパルス波形の詳細な制御が可能になることが判った。 感度向上のために用いる空洞共振器のデザインを行い、1000程度のQ値を達成できることを示した。共振器のサイズを小さくするための、低損失の誘電体に関しでテスト実験を行い、いくつかの複合材料に関してよい特性を示すことを見出した。
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Research Products
(1 results)