2001 Fiscal Year Annual Research Report
電子スペックル干渉カメラによる新しい材料劣化診断技術の確立
Project/Area Number |
13555193
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
豊岡 了 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90019753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 学 茨城工業高等専門学校, 助教授 (40237128)
門野 博史 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (09750052)
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (80107375)
孫 萍 富士写真光機株式会社, 光学機器部・設計課, 研究職
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Keywords | 電子スペックル干渉法 / ESPI / 位相解析 / 塑性変形 / ひずみ局在帯 / アルミ合金A2017 / ステンレス鋼SUS304 |
Research Abstract |
電子スペックル干渉法(ESPI)において、物体の変形に伴って刻々変化するスペックルパターンを連続的にコンピュータに取り込み、一定のフレーム間隔で差画像を計算し、連続表示することによる動的現象観察用のシステム(DESPI)を構築し、金属材料の塑性変形過程の観察を行っている。 初年度に得られた実績は次のとおりである。(1)独自に開発した、差画像と和画像の比の逆正接を計算する位相解析法アルゴリズム(和差法)において、バイアス強度揺らぎの補正法などに改良を加え、安定した高精度解析を実現した。今後はノイズフィルタに工夫を加え、信頼性の向上を目指す。(2)アルミ合金A2017材の引張試験のDESPI観察において、塑性変形過程には前期過程と後期過程があること、前期過程においては、ひずみ局在帯の伝播に伴う激しい振動現象が、後期過程においては局在帯の向きにおける2つの安定状態(引張方向にたいして+45°または-45°)間の遷移が起こることを新たに発見した。(3)SUS304引張試験のDESPI観察において、従来はひずみ局在現象は知られていなかったが、引張速度を遅くし、5μm/s以下にすると、ひずみ局在が生じることを新たに見出した。局在帯はアルミ合金で見られるストライプ状のものではなく、X字状のパターンであり、塑性変形後期過程において試験片を掃引する様子が観察された。アルミ合金のひずみ局在帯が結晶すべりによるのに対して、ステンレスの場合は全く異なるメカニズムによるものであることを示唆している。DESPIで観察したのと同じ試験片をX線回折および漏洩磁束測定にかけて詳しく調べ、DESPIで観察される現象の材料物性からの意味についても詳細な検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Toyooka, V.Madjarova, Q.C.Zhang, Suprapedi: "Dynamic Deformation Analysis by ESPI"Proc.the 4^<th> Int.Workshop on Autmatic Processing of Fringe Patterns. 605-612 (2001)
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[Publications] S.Toyooka, Q.C.Zhang: "Pulsating Progation of Strain-Localized Band in Plastic Deformation of an Al-Alloy Sample Observed in Electronic Speckle Pattern Interferometry"Proc.APCFS & ATEM'01. 821-825 (2001)
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[Publications] M.Tominaga, H.Taniyama, S.Toyooka: "Dynamic DSPI Observation of Non-uniform Deformation in Tensile Experiments on SUS304 Austenitie Stainless"Proc.APCFS & ATEM'01. 821-825 (2001)
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[Publications] S.Toyooka: "Laser speckle technique for dynamic deformation analysis"Proc.1^<st> International Conference on Laser Application. 127-134 (2001)
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[Publications] 長澤 光, V.Madjarova, 豊岡 了, 門野 博史: "ディジタルスペックル干渉法(DSPI)による開花にともなう花弁の動きの動的観察と計測"第33回応力・ひずみ測定と強度シンポジウム講演論文集. 75-80 (2002)
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[Publications] 豊岡 了: "レーザースペックル干渉法による構造物の動的劣化診断"第48回応用物理学関係連合講演(招待講演)(2002年3月27日). (2002)