2003 Fiscal Year Annual Research Report
生体内リアルタイム計測用NO・スーパーオキサイドセンサ・システムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
13555228
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教師 (60322583)
宮坂 武寛 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究所, 助手 (60308195)
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Keywords | 酸化窒素(NO) / スーパーオキサイド / センサ / カテーテル / 冠状静脈洞 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度開発したカテーテル型NOセンサを改良して、より中枢側での計測と冠循環系での計測を可能とするセンサの開発を目指した。 昨年度開発したプロトタイプのカテーテル型NOセンサの感知部の先端に血管内壁保護のためのポリウレタン製ソフトチップと感知部に力学的強度を持たせるための、合金製ワイヤ2本を取り付けた。感知部表面積低下によるわずかな感度の低下以外には、センサの性能については、プロトタイプと違いは認められなかった。 麻酔イヌを対象として、X線透視下に右頚静脈経由でcoronary sinus(冠状静脈洞)内にセンサ感知部を留置し、血中NO濃度を計測した。センサのベース電流値が安定した後、冠動脈内に留置したカテーテルを経由して、内皮細胞内NO合成酵素の刺激物質であるアセチルコリン(ACh)をボーラス投与したところ、速やかなNO濃度の上昇が計測された。ピークNO濃度は、0.4μg/kg AChに対して4.7±1.6nM、1.0μg/kg AChに対して5.5±2.2nMであった。一方、NO合成酵素阻害物質のL-NAME (10μg/kg,20min)を投与したところ、NO濃度は有意に減弱し(3.1±2.1nM, p<0.05)、AChに対する反応も有意に減少した(2.5±1.2nM for 0.4μg/kg and 4.3±2.6μg/kg for 1.0μg/kg、p<0.03 vs before L-NAME for 0.4μg/kg,p<0.05 for 1.0μg/kg)。 以上の結果から、冠状静脈洞内(静脈血中)でも血管内皮由来NOが計測できることが明らかとなり、血管内皮機能の評価など臨床応用への可能性も示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seiichi Mochizuki, et al.: "Measurement of acetylcholine-induced endothelium-derived nitric oxide in aorta using a newly developed catheter-type nitric oxide sensor"Biochemical and Biophysical Research Communications. 306. 505-508 (2003)
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[Publications] Masayo Hayama, Takehiro Miyasaka, Seiichi Mochizuki, et al.: "Optimum dialysis membrane for endotoxin blocking"Journal of Membrane Science. 219. 15-25 (2003)
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[Publications] Seiichi Mochizuki, et al.: "Role of hyaluronic acid glycosaminoglycans in shear-induced endothelium-derived nitric oxide release"American Journal of Physiology. 285. H722-H726 (2003)
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[Publications] 遠藤恒介, 宮坂武寛, 望月精一 他: "スーパーオキサイドセンサ"Medical Science Digest. 29・14. 20-23 (2003)
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[Publications] 氷見直之, 宮坂武寛, 望月精一 他: "スーパーオキサイド産生量の正常と病態ラットにおける臓器間差異の解析"信学技報. MBE2003-50. 43-46 (2003)
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[Publications] 望月精一他: "血液透析に関連した病態におけるNO・酸化ストレスの関連因子の計測・評価"腎臓. 26・2. 172-176 (2003)