2001 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子設計戦略-グライコモジュール法-による糖鎖高分子の合成と生物機能
Project/Area Number |
13555259
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 芳弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80183896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 和洋 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 主任研究官 (80251502)
小林 一清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023483)
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Keywords | 糖鎖 / モジュール / 生理活性 / グルコシル化 / セレクチン / 炎症 / クラスター / 人工高分子 |
Research Abstract |
申請者が提案した糖鎖モジュール法を適用することにより、以下の成果を得ることができた。 抗炎症性セレクチンアンタゴニストの開発:細胞接着タンパク質であるセレクチンファミリーは白血球細胞のローリングの媒介、好中球の活性化および抑制、血小板凝集など、急性炎症時の重要な現象に関与している。セレクチンのアンタゴニストとして機能する分子は、抗炎症剤として期待されており、多くの研究が行われているが、糖鎖構造の複雑さから実用的な合成プロセスは確立されていない。L-セレクチンは、6-硫酸化シアリルルイスX(sLeX)(Neu5Acα2-3Galβ1-4(Fuc α1-3)-6-SO3-GlcNAc)という糖鎖構造を認識することから、3'位硫酸化ラクトース、6位硫酸化GlcNAcを最小糖モジュールとする合成戦略により、強力なL-セレクチンアンタゴニストの開発に成功した。 ベロ毒素中和剤の開発:既に申請者らは、Gb3糖鎖を側鎖にもつ人工糖鎖高分子がベロ毒素のI-型を強力に中和する活性を有することを他に先駆けて報告している。しかし、ベロ毒素のII型には中和活性を示さなかった。ここでは、天然に安価に得られるトレハロースをベースとする中和剤の開発を試みた。ガラクト型トレハロースを新規糖モジュールとする高分子は、天然のGb2糖からなる高分子と同等の強い中和活性を示すことを明かとした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Nishida, (他4名): "The First Bovine beta-1,4-Galactosyltransferase Reaction with an Acyclic Acceptor Substrate,3-Acetamido-1,2-propanediol"Org.Lett.. 3. 1-3 (2001)
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[Publications] Y.Nishida, (他4名): "Crystal Structure of Methyl 5-Acetamido-2-t-butyl-2-methyl-1,3-benzodioxole-4-carboxylat"Anal.Sci.,. 17. 685-686 (2001)
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[Publications] K.Kato, (他10名): "Syntheses and Biological Evaluations of alpha-D-Mannosyl [60]Fullerenols"Bioorg.Med.Chem.Lett.,. 11. 2935-2937 (2001)
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[Publications] H.Dohi, (他7名): "Molecular Design and Biological Potential of Galacto-type Trehalose as a Non-natural Ligand of Shiga Toxins"Org.Lett.,. 4. 355-357 (2002)
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[Publications] H.Dohi, (他3名): "o-Methoxycarbonylphenyl 1-thio-beta-D-galactopyranoside,A non-malodorous thio glycosylation donor for the synthesis of globosyl alpha(1-4)-linkages"Synlett.,. 1446-1448 (2001)